4月1日てんでんこ 電気のあした「11」触手

朝日新聞2019年3月26日3面:水力の電気を売る東京電力EP。太陽光や新電力には勝ち目がない。 大手電力による電力契約の取り戻しは、首都圏でも進む。神奈川県が公共施設の電力調達に本格的な競争入札を導入した2013年度、県施設のうち9割を占めたのは新電力だった。その後も積極的に進めるとしていた。ところが、19年度の競争入札では394施設のすべてが東京電力エナジーパートナー(東電EP)に落札された。完全な先祖返りだ。取り戻し営業は、民間でも激しい。首都圏のある新電力会社の幹部は「取次会社などを使ってものすごい量を取り戻している。新電力つぶし」と悲鳴を上げる。経済産業省は昨年末、切り替え手続き中の取り戻し営業を問題とする指針を出したが、「抜け道が多すぎて役に立っていない」と批判する。大手電力は消極的だった自然エネルギーにも触手を伸ばす。
「アクアプレミアム」。東電EPが2年前に始めた法人向けの水力発電のメニューだ。事業で使う電気を自然エネでまかなう動きが広がり、企業からの需要が高まっている。火力や原子力の電気を一緒に売っていた電気を切り分けて、1㌔ワット時あたり4~5円の「環境価値」を上乗せしているという。だが、親会社の東電ホールディングス(HD)が所有する水力発電所164ヵ所(約1千万㌔ワット)は、別の電力会社から国策で譲り受けたり、電気代で建てられたりしてものだ。このようなコストがほとんどかからない水力の電気が大量に売られれば、太陽光や風力を売る新電力には勝ち目がない。
新電力からは「(環境配慮を装う)グリーンウォッシュだ」との声も上がる。もともとあった水力を使うため、自然エネの拡大につながらないことは東電EPも認めている。福島県会津若松市にある猪苗代湖。周辺には東電HDの15の水力発電所があり、首都圏のエネルギーを担ってきた。明治以降、地元の会社などが建設したが、国家管理を経て戦後、東電に集約された。県内で自然エネの拡大を進める会津電力は昨年10月、近くに小水力発電所をオープンさせた。社長の佐藤弥右衛門(67)は「原発事故で福島に迷惑をかけたと言いながら、東電はもうかれば何でもやる姿勢を変えていない。もともと地元の電気なのだから、地元に返すべきだ」と指弾する。(石井徹)

 

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