30日 政務活動費を問う「上」

埼玉新聞2017年8月25日1面:使途の判断 議員任せ 市民目線の議論必要 議員報酬とは別に地方議員に交付される政務活動費(政活費)の不正受給が全国で相次いで発覚している。埼玉県議会でも政活費の領収書を改ざんした自民党元県議の辞職に伴い、県議南5区(さいたま市大宮区、定数1)補選が行われている。政活費はどうあるべきか。27日の投開票を前に考える。
政活費は地方議員の調査研究や研修、広報などの経費として交付される。埼玉県議会は議員報酬月額約92万円とは別に県議1人当たり月額50万円が各会派別に支給される。政活費に充てられる活動は、県政に関係する ①調査研究費 ②グループ活動費 ③広聴費 ④要請・陳情などの活動費 ⑤広報費 ⑥人件費 ⑦事務所費 ⑧事務費 ⑨資料購入・作成費 ⑩交通費 の10項目。政党活動や私的経費などが混在する場合は議員の活動実態に応じて、案分し、充当することになっている。
公費を使う以上、使途の透明性は当然のこと。県議会では2013年度分から使い道を示す領収書の全面公開が義務付けられ、運用指針で使える支出は「社会通念上、妥当な範囲内の実費」と定めた。だが、「妥当な実費」なのかどうかは、議員個々の判断に任されているのが実情で、公開された領収書を見ると、「妥当な実費」かどうか判然としない使われ方も散見される。
今月3日に公表された16年度分の政活費で、判断の分かれる代表的な支出の一つに「交通費」に区分される自動車のリース代がある。最大会派の自民党県議団では、月額のリース代が車種などによって1万円台から12万円台と差があり、契約期間も1年から議員任期4年を超えた5年までとばらつきがある。一般的に契約期間が短いとリース代は高くなり、長いと安くなる。小島信昭県議団長は「団内では、県民の目から見て良識の範囲内で車種を選ぶことにしている」としながら、「どの車種を選ぶかは議員本人次第。選挙区の範囲が広かったり、それぞれの議員で事情が異なる」との見解を示す。
「人件費」に関する領収書では、議員が事務所で雇う事務員名簿などは個人情報の観点から黒塗り(マスキング)されており、”完全公開”には至っていない。市議経験者の県議の一人は「市議時代は事務所スタッフを雇っておらず、自分で全て市政に関する調査をしたが、政活費(月額18万円)が足りないこともあった」と話す。県議会事務局によると、県議の議会関係公務(各定例会や委員会視察など)は年間80日程度。全国市民オブズマン連絡会議会員で狭山市民オブズマンの田中寿夫代表幹事は「1年間充当するような自動車のリースはおかしい。人件費も家族を雇っているケースが考えられる」と透明性の不備を指摘。第三者によるチェック機関の設置を訴える。
ただ、第三者機関の設置には新たな公費の支出が伴う。田中代表幹事は「政活費は(公費の)先渡しだから、議員が都合のいいように使ってしまう。不正が起きやすい仕組みを自分たちでつくっている」とし、”市民目線”の改革の必要性を強調した。

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