30日 所有者不明土地全国に410万ヘクタール

朝日新聞2017年6月27日3面:地権者増え買収も困難 九州よりも広い約410万ヘクタールの土地が、相続未登記などで所有権が分からなくなっている可能性があるという推計結果が、有識者の研究会によって26日公表された。土地の所有者の死後、長年いわたって放置され、公共事業の妨げになる事例も出てきている。
長野県飯田市には、県道の半分をふさぐように突き出た土地がある。一帯の道路拡幅工事で買収できずに残った土地だ。朝夕は通学路になるほか、近くを通るリニア新幹線工事で出る土砂を運ぶダンプが今後通る可能性もあるため、地元では拡幅を望む声が強い。
たった119平方メートルの土地だが、地権者は107人いる。もともと石仏などをまつった共有地で、明治時代の土地台帳では26人の地権者がいたという。地権者が亡くなっても相続登記がされないまま年月が過ぎ、子から孫、ひ孫の代へと法定相続人が増えていった。
土地買収には107人全員の同意が必要だが、米国在住の地権者もいて、手続きは進まなかった。土地売却に向け、一部の地権者が弁護士らに頼んで権利関係を整理してもらおうとしたこともかったが、手間やコストがかかりすぎとして断られたという。
地権者の一人、松下光敏さん(79)は「時間の経過とともにどんどん相続人が増える。誰が誰かも分からない」と嘆く。県も地権者の同意を得る作業を進めようとしているが、107人のうち誰かが亡くなれば、また新たな相続人が出てくる可能性があり、買収の見通しは立っていない。
今回、推計値を公表したのは所有者不明土地問題研究会(座長・増田寛也元総務相)。名義人の死亡後も相続登記されない土地などを「所有者不明土地」と定義。国土交通省の地籍調査や人口動態などから推計すると、総面積は九州の面積(368万ヘクタール)を上回った。増田氏は会見で「今後、経済的損失の試算もしていく」などと話した。
(大津智義)


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