3月5日 患者を生きる 食べる 妊娠糖尿病「3」

朝日新聞2019年2月27日27面:長男出産「やりきった」 妊娠糖尿病と診断された大阪府の若狭志歩さん(29)は2017年6月、ベルランド総合病院(堺市)に6日間入院し、血糖値を上げにくい食事のとり方を学んだ。退院後は「食品交換表」を手に買い物に行き、家では食材の重さをはかって料理した。食べる順番も気を付けた。糖の吸収を穏やかにする食物繊維をとるため、まずは野菜から食べた。糖質よりも消化吸収が緩やかな肉や魚などのおかず、最後に米などの主食をとった。消化吸収をゆっくりにして、急な血糖値の上昇を抑えるため、よくかんで時間をかけて食べた。毎食の前後、寝る前の1日7回血糖値を測った。食事に気を付けていても目標値を超えることがあり、毎回祈る思いで計測した。
心の支えになったのが、おなかの中の長男瑛大君(1)だった。平日は夫文明さん(28)が仕事でいない。瑛大君がおなかで動くと「お母さん、絶対に頑張るからな」と話しかけた。元気に生まれ、成長する瑛大君の姿を思い浮かべて気持ちを奮い立たせた。家族も応援してくれた。文明さんは「出産後の楽しみに」と、高級アイスクリームの期間限定商品を買い置きするようになった。実家に里帰りしてからは、母の鈴木知佳子さん(59)が、バランスを意識して食事を作ってくれた。妊娠33週の妊婦健診で、「今後は血糖値を測定しなくていいです」とベルランド総合病院の医師から告げられた。瑛大君の成長が順調で血糖値も安定していたからだ。ただ、「知らぬ間に血糖値が上がらないか」と不安は残り、その後の食事も気が抜けなかった。
約2ヵ月後の9月7日、志歩さんは同病院で文明さんと知佳子さんが立ち会うなか、瑛大君を出産した。ただ、産声をあげる姿をみても、低血糖になっていないか、気が気でなかった。血糖値を測るため、小さな足の裏に針を刺せれる瑛大君を見るのもつらかった。でも、助産師に「影響は出ていませんよ。お母さん頑張ったね」と分娩台で言われ、「やりきった」と思った。体重は2680㌘で、心配された巨大児でもなかった。文明さんは「めっちゃ頑張ったもんな。ありがとう。ありがとう」とねぎらった。(福地慶太郎)

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