3月4日 池上彰さんインタビュー「下」

朝日新聞2019年2月26日24面:新聞「人生」考えるきっかけ 気になる記事はビリッ 若者の就職活動、シニアの「第二の人生」探しなど、新聞は自分の未来を考える材料にもなります。今月19日に紹介した「上」に続き、新聞有効な活用方法を池上彰さんに聞きました。私が得る1次情報は基本的に新聞です。それをきっかけにインターネットで検索したり、情報源の人に電話し「これはどういうこと?」と聞いたりして知識を深めます。この流れについて、私は「フロー」と「ストック」という言い方をします。日々の新聞は「フロー」。流れていくものです。呼んでいく中で引っかかり「あれ?どういうことだろう」と思ったら、リアル書店で専門書を買って読む。フローの新聞記事をきっかけに、自分で勉強することが「ストック」になる。
中東問題でいえば、昔は「中東問題ってそもそも何?」というレベルだったけれど、専門書を読むとパレスチナ自治区におけるイスラム原理主義組織の「ハマス」とパレスチナ自治政府主流派の「ファタハ」の違いを知ります。そうすると、新聞の国際面で「ハマスとファタハの対立が深刻化」という見出しを見ただけで分かる。気になる新聞記事は切り抜くことがお勧めです。特に新聞記事を、「自分の人生」と関連づけることです。今、団塊の世代の人たちがどんどんリタイアしています。これからも増えます。第二の人生をどうすればいいか困っている人もいると思います。会社から切り離されたとたんぬれ落ち葉になったりするわけでね。そなんとき「次の人生何をやろうかな」ということは、意外に自分では分からない。実は他人から見ると「あなたはこういうことが向いているよ」と言えることも多い。それを教えてくれるのが新聞記事です。ボランティア活動をしている人の「第二の人生でこんなこといをしている」という記事が気になったら、ビリビリ破って取っておけばいい。次第に積み重なると「あ、俺はこういうことをやりたいんだ」とわかり、「これで第二の人生を歩もう」と自分を知り、新たな人生を歩むきっかけになる。高校生や大学生も、将来どんな職業に就きたいか分からないとき、新聞を見て「こんな仕事がある」と気になれば破いて残せばいい。新聞はビリビリ破いていい。大事に取っておく必要はない。興味・関心がある記事をためることで、自分を客体化して見られる。「本当はこういうことがやりたい」と気づく。これが職業選択に役立ちます。企業選択の希望は、商品やサービスを提供する「BtoC」(Business to Consumer・消費者向けビジネス)企業が多い。身近だから。でも、あまり知られていない「BtoB」(Business to Business企業間取引)企業にも、日本経済を支える堅実な「BtoB」はいくらでもある。そういうことは新聞を見ると分かる。いえおんなことがAI(人口知能)に置き換えられていくのは間違いないけれど、そもそもAIのアルゴリズムは人間がつくっているわけですよね。AIによって思わぬ問題が起きたとき、どうするかも結局は人間であり、人間の倫理観だと思います。人間は「ここでやっちゃいけない」と止まるけど、AI兵器なら情け容赦なく皆殺しにできる。そんな時どうあるべきか。AIがどんどん進んでいくとき私たちはどう生きるべきか、どう働くべきかを考えるきっかけをつくってくれるのが新聞記事だと思います。(聞き手・教育総合本部長・桜井透)

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