3月31日「翔んで埼玉」手形なく全国区

朝日新聞2019年3月25日29面:映画興収20億円 25%は県内記録 埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけー。こんな過激な言葉で埼玉がディスられる(屈辱される)映画「翔んで埼玉」がウケている。県民にとっては「自虐」だが、県内の映画館は笑いの渦につつまれる。「ダサイタマ」はもはや誉め言葉? 舞台は、関東周辺の県が東京から差別される架空の世界。 ▽埼玉県民が東京に行くには手形が必要 ▽不法侵入したら強制送還 ▽熱病「サイタマラリア」が存在ーなどと、特に埼玉が虐げられている設定だ。だが「ダサイタマ、クサイタマ・・」などと自虐するうち、団結していく埼玉県民。やがてGAKTさんや二階堂ふみさん演じる主人公らを中心に、「ライバル」千葉や東京を巻き込んだ抗争へと発展していくー。「跳んで埼玉」のストリーだ。
「郷土愛」自虐ウケる 「一番描きたかったのは、埼玉の『郷土愛』なんです」と武内英樹監督。数年前、「パタリロ!」などで知られる漫画家・魔夜峰央さんの原作を読んだとき、あまりに過激なディスりに驚いた。だが千葉出身の武内さんはその描写をかえって新鮮に感じ、「読んでいるうちに埼玉を応援したくなった」のが映画化のきっかけだったという。
映画化のために埼玉出身の知人を多く訪ねると、地元に自慢できる特化したものがないだけで「みんな住みやすい街だと感じているとわかった」という武内さん。ただ、多くの県民が都内に通うために地方から移住してきた結果、「郷土愛を感じにくい土地でもある」とも分析。そんな埼玉県民の郷土愛をどうにか描くために、「自虐」を用いたのだという。謙虚な県民性も感じ「心に余裕がある県民だからこそ、こんな映画、埼玉以外じゃ成立しません」と笑う。
公開2日目に見たという川口市の会社員鈴木勉さん(42)は「映画の通りだった」と自虐にも笑えた様子。職場がある千葉の知人から埼玉をディスられることもあるというが、「埼玉は何もないところが逆にいい。好きです」。配給元の東映によると、「翔んで埼玉」は今月17日までに興行収入約20億円を記録し、約150万人を動員。約25%が埼玉県内での記録だという。さらに通常は公開初週以降、右肩下がりになる作品が多い中、公開2週目、3週目ともに興行収入と動員人数が初週を上回った。担当者は「初週を2週目以降に上回ること自体が異例。著名人のSNSでも口コミが広がっており、まだまだ伸び続けるのでは」と話す。(笠原真)

 

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