3月31日 スマホという怪物「1」

朝日新聞2019年3月25日夕刊10面:盟主は苦しんでいた 東京・霞が関の総務省ロビーにあるコーヒーショップで同僚と落ち合ったのは2013年3月のことだ。総務省記者クラブ詰めとして通信業界の担当を4月に引き継ぐ。用意してくれていた「主な課題」の1行目は「NTTドコモからのiPhoneの発売」だった。「ガラケー」と呼ばれた従来型の携帯電話からスマートフォンへの切り替えが進んでいた。主役は2007年に米アップルが発表したiPhone。ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)は翌年、社長の孫正義(61)の人脈を生かしてラインナップに加え、KDDI(au)が11年に続いた。平成の始まりと相前後して、旧電電公社が独占していた通信事業の規制緩和が進んだ。00年には携帯など移動電話の契約が固定電話を上回り、競争が激化した。電電公社の流れをくみ、端末づくりなどで電機メーカーと二人三脚で歩んだ盟主ドコモはiPhoneの取り扱いで後手に回った。
契約の純増数は12年、ソフトバンクが5年連続トップとなり、auも前年より4割以上増えた。逆にドコモは4割以上の減。番号を変えずに携帯会社を移る「番号持ち運び制度(MNP)」のもと契約者を奪われて苦しんでいた。ゲーム、買い物、調べ物。暮らしを変えていくスマホ、しかもドコモのネタで後れを取れば、「先輩に『抜かれポンチやないか』と笑われるな」。重い気分で担当になって1カ月。ドコモの「夏商戦」の発表を5月に取材した。打ち出されたのは、ソニー「エクスペリア」と韓国のサムスン電子「ギャラクシー」のスマホ2機種に広告や販促を集中させるツートップ戦略」。主役iPhineの発売ではなく、追撃策だった。
ただしNTTグループ全体の戦略を定める持ち株会社は「自前主義の見直し」を明確にしていた。アップルが主導権を握りがちなiPhoneとはいえ、「いつもドコモが発売するか」を追う態勢づくりを迫られた。 =敬称略 (永島学)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る