3月25日てんでんこ 電気のあした「7」ギガワット

朝日新聞2019年3月20日3面:原発1基分。3人の若者が立ち上げた会社はわずか7年で目標を達成した。 わずか7年での大目標達成だった。2011年3月に東京電力福島第一原発が事故を起こした直後の6月、3人の若者が自然エネルギーで発電する会社を立ち上げた。いまは福岡市に本社を置く「自然電力」だ。設立から約7年後の18年5月、グループで開発した太陽光などの発電所の合計出力が1ギガワット(100万㌔ワット)に達した。原発1基分に相当する。
創業した長谷川雅也(39)、磯野謙(38)、川戸健司(38)の3人はいまも代表取締役を務める。社員は200人を数え、海外にも事業を拡大した。新しい目標は22年に5ギガワット。原発5基分だ。創業前、3人は風力発電会社でいっしょに働いていた。だが、騒音や景観などの問題で新規開発は滞っていた。海外で働こうか、と悩んでいた時に東日本大震災が起きた。テレビで被災地や原発事故の様子を見て、長谷川と磯野は思った。「自然エネをやってきた自分たちが立ち上がらないといけない。これは使命だ」。新会社設立の覚悟を決めた。これに川戸も「ビビビッときた」。
自然エネの電気を大手電力が決まった価格で買い取る「固定価格買い取り制度(FIT)」が始まっておらず、成算もなかった。だが、目標は大きく1ギガワット、原発1基分に置いた。「原発の電気を自然エネに変えるという目標の意味は大きいと思って」と長谷川は振り返る。会社の説明資料に1ギガワットの目標を書き込むようになった。現実は12年暮れにグループ初のメガソーラー(大規模太陽光発電設備)を熊本県で稼働するまで、経営はかなり厳しかった。
それでも地域還元にはこばわった。風力発電会社につとめていた時、風車近くの住民から夜中に呼び出され、「うるさくて眠れない。止めろ」と叱られるのはしょっちゅう。だからグループ理念に「地域コミュニティ、地域産業のことまで考える」と掲げた。電気の売り上げの一部を地域の産業振興などに充てるといった地域還元の仕組みを丁寧に整えてきた。そうした姿勢が評価され、メガソーラーなどの立地を後押しした。私は、代表例と言える熊本県のプロジェクトを訪ねた。電力会社がこんな関わり方をするのかと驚く。それは風味豊かなクラフトビール(地ビール)づくりだった。(小森敦司)

 

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