3月21日 被災者生活再建支援法「3」

朝日新聞2019年3月16日7面:細る基金 行政コスト抑えるには? 大災害の続発で、被災者生活再建支援金の元手になる基金の残高が減っている。都道府県が産出し、国が半額を補助する仕組みだが、更なる災害に備えていくには心もとない。都道府県が1990年度、300億円を拠出し、基金の運用が始まった。被災者生活再建支援法の改正で、全壊世帯への支給額が最大300万円に引き上げられた2004年度にも、300億円を拠出した。 約12万棟が全壊した11年の東日本大震災で、国は支援金を計4400億円と試算し、特別措置で補助率を8割とした。都道府県は2割に当たる880億円を積み増した。さらに16年の熊本地震や昨年の西日本豪雨を受け、19年度末に基金残高が200億円程度に減るため、昨年11月に400億円の追加拠出を決めた。
全国知事会は、過去の大災害とこの50年間の災害発生状況を踏まえ、今後も現行制度で年60億円、支援金の支給対象を半壊まで拡大すれば年76億円が必要と見込む。全壊・全焼の想定が最悪約240万棟の南海トラフ地震や、約61万棟の首都直下地震が起きれば、立ち行かないのは明らかだ。東日本大震災では、国の復興予算は10年間で総額32兆円。一方、被災者への支援金は約3600億円と1%強に過ぎない。そのため支援金を増額し、国の補助率を引き上げを求める声が上がる。
実際、被災者による住宅の自力再建を支援した方が、行政コストを抑えられるという試算がある。兵庫県広域防災惨事の亀井浩之さんは、支援法のあり方を検証する研究会の一員として、被災者が住宅を建てる場合と復興住宅に入居する場合で、1世帯あたりのコストを比較した。応急で必要になる仮設住宅の建設・撤去費用は約630万円で同じだが、被災者が住宅を建てれば、支援金を300万円としても固定資産税が入り、差し引き約740万円。復興住宅に入居すれば建設や維持の費用が加わり、計約2400万円かかるという。亀井さんは、支援金をさらに増額しても、行政は復興住宅の建設を減らせてストックを抱えずに済み、結果として全体のコストを抑えられると指摘。「被災者と行政の双方にとってプラスとなる」と説く。財源に限りのかる中、インフラ整備と被災者への直接支援のバランス、国と地方の分担のあり方を問い直さなければならない。(千種辰弥)

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