3月12日 親子の行楽地 小江戸・川越 埼玉県川越市

朝日新聞2019年3月7日夕刊4面:懐かしい駄菓子 まつりも体感 埼玉県の小江戸「川越」。年配のカップルが散策するイメージがあった。でも、小さい子どもも楽しめる観光地らしい。記者は2月中旬、妻(41)、長男(8)、次男(4)とともに足を運んだ。まずは石畳の道にアメ屋などが軒をのラベル菓子屋横丁へ。一角にある「江戸屋」に入ると、駄菓子がぎっしりと置かれていた。息子たちは目を輝かせ、何か買おうか店内を物色。「これ、何?」と長男がベーゴマ目をとめ、「ほしい」と購入を即決した。スタッフの上原より子さん(66)は「大人にとっては懐かしく、子どもには新しい発見があります」と言う。横町をぐるっと巡った跡、目の錯覚を利用した美術館「トリック3Dアート in CONEDO」へ。オーナーの服部正志さん(57)が昨年3月にオープン。服部さんが手掛けたコンピューターグラフィクスによる作品が展示され、不思議がいっぱいだ。カメラで撮影すると、絵の上に立った子どもたちが宙に浮かんだり、巨大になったりするように写る。「年賀状に使えるかも」と妻もご満悦だ。
美術館を後にし、黒壁の建物が並ぶ「蔵造りの町並み」を歩いた。せんべいや団子、名物のサツマイモ菓子などが店先で売られ、食欲がそそられる。市によると、明治26(1893)年に町の約4割の建物が焼けた川越大火の高い蔵造りの商家が数多く建てられるようになった。昭和後期には取り壊しもあったが、市民らが保存として、平成初期に電線を地中化し、町並みを整えた。2009年には川越を舞台にしたNHK連続ドラマ小説「つばさ」で脚光を浴び、観光客が急増。昨年、市内を訪れた観光客は734万人と過去最多を記録した。
江戸時代から時を告げてきた川越のシンボル「時の鐘」を通り過ぎ、「小江戸おさつ庵」に。行列に並び、サツマイモを縦にスライスして素揚げした「おさつチップ」を買った。その見栄えは、迫力満点。塩バターソースをつけて食べると、イモの甘みとしょっぱさが口に広がった。せっかくだから、学習も取り入れたいと、「川越まつり会館」に。川越まつりは370年の歴史があり、豪華な山車を100人前後でひき歩く。「川越氷川祭の山車行事」が16年に、ユネスコ向け異文化遺産に登録された。会館では、まつりで使う山車2台を展示。大型スクリーンに映し出される動画で、まつりの熱気を体感できる。
お腹がすいた。昼食は「名物ウナギ!」と言いたいとろだが、予算オーバー。お財布に優しい、川越B級グルメ「太麺やきそば」(並400円)を食べることにした。「まことや」代表の手島昌也さん(56)が子ども時代に寺の境内にある屋台で食べた味を再現しているという。面はうどんと見間違うほどの太さ。濃い口のソースがよくあう。長男はもちろんのこと、4歳の次男もぺろりと平らげた。川越熊野神社の境内で、運試しの輪投げに挑戦した後、帰路につくため川越駅に向かった。途中、ビルの屋上に観覧車が見えた。「乗りたい」と子どもたちがせがむので、「丸広百貨店わんぱくランド」に立ち寄り、観覧車に乗った。食べて、体験して、学んで。家族にとって、大満足の一日となった。(岩井建樹)

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