3月1日てんでんこ 計画有休「9」始発中止

朝日新聞2019年2月23日3面:構内に倒れ込んだ大木。安全確認が済むまでは車両基地から電車を出せない。 日付が変わって昨年10月1日。激しかった雨風はしだいにおさまってきた。「朝の通勤ラッシュ直撃は免れた」。ほっとしていた雰囲気が広がるなか、沿線で待機していた保線員から線路点検を始めた。「四ツ谷駅構内で大きな木が線路内に倒れ込んでいる」。午前2時ごろ、JR東日本本社にいた運輸社両部次長の小西雄介(52)に知らせが届いた。点検が進むにつれ、倒木や飛来物の報告は60件を超えてきた。始発時刻が迫るなか、緊急対策会議が招集された。「利用者は『朝は平常通り』と思っているはずだ」「見つかった倒木や飛来る物はその都度撤去している」。ただ、線路上に残っていないという保証はなかった。
小西らは決断した。「首都圏全線で始発の運転を取りやめる。列車は回送扱いでそのまま走らせ、線路や架線の安全を確認させる」大崎駅を出発する山手線の始発電車は、午前4時27分発。その30分ほど前、駅務室内に総合指令室からのアナウンスが響いた。「山手線初電に支障あり」。始発電車を回送電車に切り替え、客の代わりに安全係員を乗せて1周させるとの内容だった。山手線1週は約1時間。問題がなければ、通勤ラッシュが始まる前の午前6時には運転再開できるはずだ。だが、駅長の佐々木隆志(56)は「大変なことになる」と直感した。安全確認が済むまでは車両基地から電車を出せないため、十分な運転本数を確保できないからだ。佐々木は支社に連絡し、応援要員を10人ほど派遣してくれるよう頼んだ。
直感は的中した。山手線の運転再開は午前6時4分。駅南側の車両基地に待機していた電車を次々と山手線に送り込んだが、客が膨れあがるスピードに追いつかない。乗りきれない客がホームにあふれ始めた。駅員は総出でコンコースからホームに下りる階段やエスカレーターにロープを張り、午前9時半ごろまで入場規制を続けた。最終的に32駅で入場規制。1292本が運休または遅れ、約91万人に影響した。国土交通省の検証会議では、多くの鉄道会社が「安全面から計画運休は必要で有効」と答えた。だが、課題も残った。各社は「線路の幅も高架も盛り土の構造も違う。横並びの実施は難しい」と口をそろえた。(細沢礼輝)

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