26日てんでんこ 皇室と震災Ⅱ【14】

朝日新聞2017年7月25日3面:「皇室が何ら国民を慰撫せぬごとき記事が書かれ、残念」。侍従は反論した。 文芸評論家の江藤淳氏が月刊誌「文芸春秋」の1995年3月号で展開した皇室批判に対し、八木貞二侍従(当時)は翌4月号の同誌に「阪神・淡路大震災 両陛下の十五日間」を寄稿し、「側近にある者として誠に遺憾」と書いた。江藤氏は23年の関東大震災の際、大正天皇の摂政宮だった裕仁皇太子(のちの昭和天皇)の対応をたたえ、今の皇室を批判した。
これに対し、八木氏は両陛下の被災地訪問が震災発生から15日目だったことに触れ「十五日という期間は、奇しくも関東大震災発生より、当時の摂政宮が都下市内を御視察になるまでと期間を同じくしている」と反論した。
両陛下の震災発生当日からの様子を詳細につづり、「現在の皇室が災害に当たり、何ら国民を慰撫せぬごとき記事が書かれ、国民への義務履行を言われることは、あまりに残念であり、ここにあえて震災後十五日間の両陛下の御動静につき、一文を記したものである」と結んだ。
さらに月刊誌「諸君!」4月号では、保守派重鎮だった歴史学者の林健太郎・元東京大総長が「皇室はよくおやりになった」の題で寄稿し、皇室の対応を擁護した。「江藤氏は摂政宮が9月1日の震災二週間後に東京市内を視察されたことを賞賛しているが、此度今上天皇皇后両陛下は同じく震災の二週間後の1月31日に災害地を慰問されている。そして摂政宮はお膝元の東京を市街を馬上で巡幸されたのであるが、今上陛下は数百キロ離れた頭に赴かれ、被災者の避難所の宿所において親しくお言葉をかけられている」と。
江藤氏が皇太子夫婦の中東訪問を批判したことについても、「皇太子が中東に行かれたのは『ベドウィン族の踊りの鑑賞』・・・のためではない。それは日本国が外国と約束した皇族の訪問を実行されたのであって、それは決して重要ならぬことではないのである」と反論。「天皇は先帝に劣らず速やかに国民への慰問に旅立たれ、皇太子が国際的な約束を果たされるために外国に行かれたのは決して『優先順位の失念』などというものではない」と書いた。(北野隆一)

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