21日 必要な保険とは

朝日新聞2017年7月17日29面:入院費カバーかけ過ぎ注意 年を重ねるほど医療費がかさみ、年金だけでは生活できなくなるのではないかと心配です。医療保険に入って備えた方がいいですか。 日本では、誰もが何らかの公的な医療保険に加入する「国民皆保険制度」があります。健康保険証を使えば、原則で現役世代は3割、70歳以上は2割の自己負担で診療を受けられます。さらに保険診療には、私たちが負担する医療費にひと月あたりの上限が設けられる「高額医療費制度」があります。入院して手術をを受けても、最終的に負担する医療費は一定程度に収まります。実際の負担がどれくらいになるのか、具体的に知ることが本当の安心につながります。
高額医療制度は、70歳を境に二つのしくみがあります。70歳未満の場合、所得に応じて5段階の負担上限が設けられています。入院して月内の医療費の総額が100万円だったとしましょう。年収500万円の人の場合、月あたりの医療費の上限は、8万100円+(医療費総額―26万7千円)×1%という数式に当てはめます。3割負担なら30万円ですが、実際の負担額は8万7430円となります。まし、すでに30万円を支払ってしまったなら、2年以内に加入する公的医療保険に申請すれば、差額が戻ってきます。
あらかじめ「限度額適用認定証」を病院に提示しておけば、窓口での支払いは上限額までとなり、払い戻しが必要になることはありません。医療費がかさみそうなら、あらかじめご自身が加入する公的医療保険の窓口に申請しておきましょう。入院、通院を問わずに使えます。公的医療保険には負担を抑えるこんなしくみがあるのです。知らない人が意外に多いですが、自ら申請して払い戻しを受けるのが基本ですから、知らずにいると損をしてしまいます。
入院時にかかることがある差額ベット料は、高額医療費の枠外で、全額が自己負担となります。気になる人もいるでしょう。ただ、この料金は、病院から十分な説明を受けた患者本人が希望した場合にのみ、かかるものと覚えておきましょう。
入院時の食事代は原則1食360円で、やはり枠外です。しかし食事代は日常の費用です。入院時にかかる特別な負担と考えなくてもよいでしょう。70歳以上になると医療費負担はさらに軽減されます。所得に応じた負担上限は4段階で、所得が現役世代並みより低い「一般」の区分の場合、月の負担上限は、通院だけなら1万2千円です。
このように、自ら負担する医療費には上限があり、手元のお金で医療費に備えることは、ある程度可能なのです。医療保険に入るのも一つの方法ですが、それはいわば入院に備える「お助けグッズ」ともいえます。日常的にかさむ通院費などのカバーが目的ではありません。
保障を手厚くすれば、保険料の支払いもかさみますから、かけ過ぎは禁物です。入院に備えるために家計が圧迫されるのは本末転倒でしょう。保険は本来、貯蓄で対応できない事態に対して、コストを負担して備えるものです。医療費への備えは、公的制度を前提に、保険は補助的なものと考えるべきでしょう。
(ファイナンシャプルランナー、社会福祉士 清水香)

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