2月7日 自由にモノ言える社会とは

朝日新聞2018年1月26日34面:Nスペ「赤報隊事件」ドラマ記者役の草薙さん NHKスペシャル「未解決事件」の6作目が27日から2夜連続で放送される。1987年の憲法記念日に記者2人が殺傷された朝日新聞阪神支局襲撃事件など一連の事件を「赤報隊事件」として取り上げる。初日の実録ドラマで、犯人を追う記者を演じる草薙剛さん(43)が朝日新聞の単独インタビューに応じた。演技を通して、「自由にモノが言える社会とは何か、考えるようになった」と言う。
発生直後から朝日新聞特命取材班で事件を追い続けた樋田毅さん(昨年退職)を演じる。NHK取材班による本人へのインタビューなどをもとに「リアリティーにこだわった」という脚本を読み込み、当時の映像も見たという。「30年前、僕は中学生。記憶の片隅に、見たことがある映像でした。小尻(知博)さん(阪神支局員で散弾銃で撃たれて死去、当時29)の遺族をはじめ大変な思いをした人がいる。一生懸命演じないといけないと思った」
「赤報隊」を名乗る犯人による、各地の朝日新聞施設への襲撃、爆破未遂事件が続いた。2003年、全事件が公訴時効を迎えた。「犯人が見えてこないところに、怒りや悔しさをどこにぶつけていいかわからないところがありました。見えない大きな闇に立ち向かう記者たちのプライドと意地。事件に翻弄されつつも、負けない。ドラマとしてもそこはリアリティーがありました」
印象的な台詞があるという。樋田記者が右翼活動家に「考えの異なるものを銃で撃ち殺し、それが正義だと主張したのが赤報隊です。小尻記者に向けられた銃弾は、自由な社会を求める私たち一人一人に向けられたものだ」と訴えかける。「メッセージとして伝えないといけないところ。力を入れたシーンです」
草薙さんは昨年9月、デビュー以来所属した事務所を離れ、同じ元SMAPの稲垣吾郎さん、香取慎吾さんと共同ファンサイト「新しい地図」を立ち上げた。心機一転後、初のドラマ主演作となる。「社会人としてどういうことができるのか、僕の仕事はなんなのか、考えていた。樋田さんを演じることが、僕が社会人の一人として課せられた仕事なのかな、と思いながら演じました」
 時代 考えるヒント Nスペ「未解決事件」は社会に衝撃を与えた事件を振り返るシリーズ。「グリコ・森永事件」「オウム真理教」などを取り上げてきた。「赤報隊事件」は当初からラインアップにあったが、取材が本格的に動き出したのは昨年4月。NHKの新名洋介ディレクター(39)は「ネット右翼やネイとスピーチ、ツイッターの炎上などが表面化し、社会の窮屈さが逼迫する中、言論の自由について考える空気感になってきた」。
取材先は朝日新聞社や元記者だけでなく、右翼関係者や当時の捜査員など、幅広い。捜査関係者だけで360人以上という。赤報隊は「反日」という言葉を声明文の中で繰り返し使い、広めたきっかけという指摘もある。「『反日』『愛国』が叫ばれる現代社会の原点である事件だとすると、振り返って検証することで、どうしてこんな時代になったのかを考えるヒントになるのではないか」実録ドラマは27日夜7時30分、ドキュメントが28日夜9時から。(滝沢文那)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る