2月5日 教えて! 税制改革③

朝日新聞2018年1月26日7面:「サラリーマン増税」なんのため? 「安易なサラリーマン増税には反対だ」。希望の党の玉木雄一代表は24日、国会の代表質問で今回の所得税改革を批判した。今回の改革では、会社員向けの減税措置の「給与所得控除」が縮小され、高収入の会社員が増税になる。一方、すべての納税者向けの「基礎控除」は手厚くなる結果、自営業者は減税になる。なぜ、こうした見直しが必要なのか。
給与所得控除は、スーツ代などを会社勤めの必要経費とみなして課税所得から差し引くことで減税する仕組みだ。現在の控除額は収入に応じて増え、最低でも「年65万円」、年収700万円なら「年190万円」、上限の年収1千万円以上なら「年220万円」だ。財務省は、実際に仕事にかかる経費に比べ、控除額は課題だとして、縮小を主張してきた。
最近はデザイナーやシステムエンジニアなど、会社に所属せずに個人で仕事を請け負う人も増えた。会社員と同じような働き方の人も多いが、会社員でないために給与所得控除が受けられない。そこで、基礎控除を手厚くして、会社員との税制上の格差を少しでも縮める、というのが改革のの方向性だ。昨年末に決まった与党の税制改正大綱には「基礎控除へのさらなる振り替えを検討する」と明記された。「サラリーマン増税」の流れは続く可能性がある。
そもそも、いまの給与所得控除は本当に手厚すぎるのか。財務省は昨年10月、家計調査をもとに、会社員が実際に仕事関連で使ったとみなせる支出の資料を公表した。それによると、年収700万円の世帯の場合、経費は年間約30万円。「こづかい」が18.6万円。「衣料品」が2.5万円、「理容・洗濯」が1.3万円などという。だが、年間の経費としては少なすぎる、との指摘もある。
会社員は毎月の給料から納税額が天引きされ、収入はガラス張だが、自営業者は税務当局に所得を把握されにくいとされる。「給与所得」「事業所得」「農業所得」の捕捉率が「9割」「6割」「4割」と下がる「クロヨン」と呼ばれる問題への不満は根強い。日本総研の立岡健二郎氏の試算では、自営業者の所得のうち、税務当局が把握できているのは、なお実態の69%という。問題を放置しながら会社員に負担増を求めるだけでは、税制への不公平感は高まる一方だ。(長崎潤一郎)

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