2月27日 老後への備え方【1】

朝日新聞2018年2月19日33面:夫婦で目安は3千万円 今後は老後の生活が苦しくなる、とよく耳にします。でも老後資金をどれくらいためればいいのか、なかなかイメージできません。何か目安はあるのでしょうか。「下流老人」「老後破産」といった言葉がメディアをにぎわすようになり、老後の生活に不安を持つ人が増えています。このシリーズでは、老後を意識するようになった50代の方をイメージして、「老後のお金」の考え方を紹介していきます。まだ教育費がかかり、住宅ローン返済もある年代です。親の介護の心配もあるでしょう。目先の収出で手がいっぱい、という方も多いでしょう。しかし老後に備えて貯蓄できるのは現役で働く間だけなのです。
老後資金の必要性はわかっていても、いくらためればいいかわからないという声も聞きます。まず「年金暮らし」を具体的にイメージしてみましょう。総務省の家計収支(2016年調査)を見ると、夫婦2人の世帯収入は年255万円で、収出は321万円。年66万円の赤字です。足りない分は現役時代の貯蓄を取り崩すことになります。実際は人により状況は異なりますが、長年ファイナンシャルプランナーとして相談を受けてきた経験から、年間収支がマイナス70万円弱、というのは会社員の定年後の実態に近いです。
日本の年金制度は現役世代の収入を100%保証する仕組みではありません。年金収入が多い人は、収出も多い傾向にあります。年金で足りない分は、働いている間にためる必要があるのです。では老後資金の目安を計算してみましょう。定年後65歳まで働くとすると、年金生活のスタートは65歳。貯蓄の取り崩し額(年間収支の赤字分)を年70万円とすると、90歳までの25年間の合計は1750万円です。さらに家の修繕、車の買い替え、病気の備えなど数年に一度の「特別収出」として1千万円を別に備えます。先の1750万円と合わせて、65歳時点で2750万円、余裕を持たせて3千万円。これが老後資金の目安です。
男性の方は「俺は90歳まで生きないので25年分の必要ない」と思うかもしれません。ただ、寿命はわかりませんし、女性はおおむね長生きです。妻が独りになったときの家計も念頭に置いておきましょう。老後資金の目安は「3千万円」。これで足りるでしょうか。答えは「イエス」&「ノー」です。世帯の年金収入は、平均より多い人もいれば、少ない人もいます。収出状況も様々です。正社員で共働きなら2人分の年金で十分暮らせるケースもあります。
50代から年金生活の家計収支を正確に予想するのは難しいでしょう。まずは「目安」を目標に少しずつ老後資金作りをスタートしましょう。老後は明日やってくるわけではないので、時間を味方につけて、できることから取り組んでいきましょう。今後の連載で、老後資金作りのコツを紹介していきます。=全10回
深田晶恵 ファイナンシャルプランナー。生活設計熟クルー取締役。著書に「サラリーマンのための『手取り』が増えるワザ65」など。

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