2月26日てんでんこ 計画運休「7」首都圏

朝日新聞2019年2月21日3面:「終電まで走らせるのは無理」。過去に例のない運休が現実味を帯びた。 台風24号が九州に迫っていた2018年9月30日早朝。JR東日本運輸車両部次長の小西雄介(52)のもとに届いた最新の台風情報は、状況の悪化を告げていた。大型で非常に強い勢力を保ったまま上陸し、首都圏を直撃する可能性があるー。前日の29日午後には、気象庁の予報課長が緊急会見し、「紀伊半島や東日本の太平洋側で記録的な暴風となる恐れがある」と厳重な警戒を呼びかけていた。「終電まで走らせるのは、無理かも知れない」。過去に例のない、首都圏全JR路線の計画運休が、小西の頭の中で一気に現実味を帯び始めた。
午前10時。東京都渋谷区にあるJR東日本本社ビルの一室に、小西ら運輸担当幹部が顔をそろえた。直近の予報データをもとに、テレビ会議システムで結んだ首都圏各支社や新幹線運行本部と台風対策を検討する会議だったが、結論が出るのは早かった。「午後8時以降、首都圏全線の運転を見合わせる」
混乱を防ぐには、この方針をなるべく早く公表しなければならない。各路線でどの電車を最終とし、運転再開に向けて運転士をどこに配置するのかなど、各支社は一斉に具体的なダイヤづくりにとりかかった。正午過ぎ。JR東が計画運休の方針を発表した。マスコミ各社への報道発表やホームページ上への掲載に加え、多くの人々が集まるイベント会場などにも連絡した。京葉線舞浜駅を最寄り駅とする東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)はこの連絡を受け、場内アナウンスで来場者らに伝えた。とりわけ気を配ったのは、外国人への案内方法だ。どのような表現ならば確実に伝わるか。首都圏各駅に配る案内文をつくる担当者たちはお互いに知恵を出し合いながら、日本語で記された案内内容を、英語や中国語、韓国語に訳していた。
午後5時過ぎ。中央線が高尾(東京都八王子市)以西の運転を取りやめたのに続き、長距離を走る上野東京ラインや湘南新宿ラインが運転を中止した。午後8時を回り、都心部を走る中央快速や京浜東北、東海道、常磐線も次々と運転を取りやめていった。小西らが心配した「混乱」は生じないまま、計画運休は進んでいくようにみえた。(細沢礼輝)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る