2月25日てんでんこ 首長たち「19」

朝日新聞2018年2月17日3面:「失敗には教訓が詰まっている」。市長は講演で体験をさらけ出す。 支援物資を積んだトラックが30台列をなし、8時間立ち往生する事態を前に、熊本市長の大西一史(50)はぼうぜんとしていた。熊本地震後、受け入れの拠点にしていた「うまかな・よかなスタジアム」(現えがお健康スタジアム)には、国主導の「プッシュ型支援」で物資が大量に押し寄せた。職員が足りず、荷下ろしやさばきが遅れたのだ。
災害時のマニュアルは毎年改定されていた。だが、支援を受け入れる場所さえ明記されていなかった。避難した市民はピークで人口の15%にあたる11万人に達した。2度にわたる震度7の揺れや相次ぐ余震で、家の倒壊を恐れてスーパーや公園の駐車場などで「車中泊」する市民も多かった。市職員ではとても把握できず、物資が行き届かなかったり、現地のニーズに合わなかったりする事態が頻発した。
大西は「とにかく避難所に行ってくれ」と指示したが、1日交代だったので引継ぎが悪く、避難者とのトラブルの元になった。「情報共有ができていない」と感じた大西は各課でグループを作り、一つの避難所を一つのグループで継続して運営する方式にした。マニュアルは「読む暇もなかった」が、こうした指示も記されていた。その反省から、今年度内に改定する地域防災計画で、物資の集積所は各区に2ヵ所以上設置するなど「受援計画」の初動対応を具体的に記す。
「失敗談には教訓がつまっている。恥をさらしても、他の自治体に明日は我が身だと思って準備してもらわないと」そんな思いで、大西は積極的に各地で講演し、率直に反省点をさらけ出して伝えている。もう17回にもなる。昨年4月、東日本大震災や水害などで被災した自治体の首長たちとともに「災害時にトップがなすべきこと」をまとめた。大西は、職員が被災者からの電話応対に忙殺されて業務ができなくなったのでコールセンターを設けて対応した経験を話し、盛り込まれた。大西は「有事にこそリーダーシップが試される。平時からの危機意識が重要」と話す。
「地震以降、他都市で災害があると、自分ならどうするか考えている。それだけでも災害時の対応は変わってくる」(沢田紫門)

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