2月25日てんでんこ 計画運休「6」波及

朝日新聞2019年2月20日3面:「社会全体が休みとお墨付き」。電車が止まると街が止まる。 鉄道会社の計画運休は企業のカレンダーも変えた。大和ハウス工業(大阪市)は昨年9月3日昼、台風21号の直撃が予想される翌日火曜日を休みにして土曜を出勤日にする、と本社と関西支社の計3千人に通知した。人事グループ長の河崎紀成(43)は「災害の危険から社員を守るのが第一。計画運休のおかげで決断ができた」と言う。自社だけが休み、顧客が通常通りなら業務への影響が大きい。逆に自社だけ営業すれば「なんでこんな時に」と言われる。「電車が止まれば、社会全体が休みと『お墨付き』を与えてくれるようなもの」と河崎は納得顔でうなずく。NTTドコモの調査で京都、大阪、神戸の3市中心部の4日昼間人口が5~6割減った。多くの企業や商業施設が臨時休業した。
一方、あえて営業を続けた店舗もある。JR茨木駅(大阪府茨木市)近くの大型商業施設内にある総合スーパー「イオンスタイル茨木」は4日も通常通り午前8時~午後11時に営業した。パンや缶詰、携帯電話の充電用品などが飛ぶように売れた。普段は禁止の車通勤を認め、帰りの車も出して従業員を確保した。店長の松尾正雄(55)は「周りは全部休みで、うちが閉めたら食料品を買う店がなくなってしまう」。JR西日本社長の来島達夫(64)は、影響の大きさを自覚した上で計画運休を判断する考えだという。「企業活動に影響を及ぼしたのは申し訳ないが、無理に通勤してもリスクに直面する。一定程度必要な措置ではないか」
昨年の台風で全線運休を前日に予告した主な鉄道はJR西、南海、京阪。阪急は当日に告知、阪神は順次運休を知らせた。近鉄は試行錯誤だった。8月の台風20号では翌日夜の全線運休を前夜に予告すると、速度規制が必要な程度の風雨で、結果的に「空振り」。次の21号では直撃当日に全線運休を約1時間前に発表し、「なぜもっと早くしないのか」と苦情を受けた。続く24号は3時間前に告知。全線運休後の午後4時すぎ、大阪統括部運輸部長の大内敬弘(52)は葛藤を抱えたまま、本社近くの大阪上本駅に出た。風雨は強くないが、人影はまばらだ。「止めたら安全だが、走らせるのが我々の仕事。街の動きを止めてしまう判断は重い」。24号は午後8時ごろ和歌山県に上陸し、東へと向かった。 (波多野大介)

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