2月25日 プラごみ回収 頼みは貧困層 インド

朝日新聞2019年2月19日夕刊9面:首相「廃止宣言」の裏で 日常では依然ポリ袋 プラスチックごみによる海洋汚染が問題になり、使い捨てプラスチックを廃止する動きが各国で出ている。インドはその先頭をいく「優等生」。モディ首相は2018年6月、レジ袋やフォーク、スプーンなどすべての使い捨てプラスチックを22年までに廃止すると宣言。英ガーディアン紙は「世界中で最も野心的な目標だ」とたたえだ。全29州のうち、少なくとも19州で規制が始まっている。首都ニューデリーの人気ショッピングモール「セレクト・シティー・ウォーク」には、ブランド店など100店以上が並ぶ。買い物客が持つのは紙袋だ。
「ポリ袋はやめました。モディ首相が宣言したんです」。案内係が胸を張る。だが、ほとんどの住民が食材や生活必需品を買う屋台では、客の求めに応じて店主が棚の下からポリ袋を出してくる。インターネットサービス会社の責任者クンダン・クマールさん(28)は「できる限りプラスチックを使わない生活を心がけている。でも、会社帰りにいつも買い物袋を持っているわけではない」ち話す。ニューデリー南部の「テーカン処分場」。1万㌧を超えるごみが40㍍超に山積みになっていた。腐った野菜くずが強烈な悪臭を放つ。ごみはお菓子の袋やレジ袋などプラスチック製品が大量に混ざっている。
ダンプカーが次々やって来て、ごみを下していく。しばらくすると「ラグピッカー」と呼ばれる貧困層の人々が集まってきた。集めたプラスチックごみを換金し、1日200ルピー(約300円)を稼いで暮らしている。こうした光景は、インド各地で見られる。1200万以上が暮らす西海岸の南都ムンバイには、アジア最大級のスラム「ダラビ」が広がる。路地脇には、人間の背丈以上の高さに廃プラスチックのリサイクル作業場が並んでた。傾いたトタン屋根の上に赤や黄、白色のプラスチックボトルが3㍍ほど積み上がっている。
こうした作業場に、ラグピッカーが廃プラスチックを売りに来る。廃プラスチックはベレット状に砕かれ、樹脂ごとに選別されて出荷されていく。脱「使い捨てプラスチック」に向けて野心的な目標を掲げるインドだが、日々の暮らしでは、ごみの分別は不十分だ。そのギャップを埋めるかのようにラグピッカーたちがごみから廃プラスチックを回収し、リサイクル率を上げている。だが、ラグピッカーの一人、アシュマド・ナレラさん(24)は赤い布で口元を隠しながらつぶやいた。「私たちだって好きでやっているんじゃない。生きていくために仕方ないの」(杉本崇)

 

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