2月24日 飲食店定休日には別の味 

朝日新聞2019年2月18日夕刊11面:間借りでカフェ・ラーメン店 手軽に起業 元々ある飲食店の営業時間外に店舗を借りて料理を出す「間借り飲食店」が広がりつつある。初期費用をかけずに飲食業にチャレンジできる利点があり、なかには間借りから独立してミシュランガイドに掲載されるまでになった「出世店」も現れた。2016年5月に神奈川県鎌倉市にオープンしたカフェ「FOOD STND magali(フードスタンド マガリ)」は、その名の通り、間借り営業から始まった。
吉田将崇さん(36)と妻が、客として通っていた同市のワインバーで12年から3年半、週1日の定休日に場所を借りて営業していた。バーにある食器類や調理器具を使わせてもらった。ただ、火事や食中毒が起きた際の責任の所在や、食器を割った場合の弁償額はバーのオーナー、大家と細かく取決め、営業を終えた後の原状回復は徹底した。「バーの看板に傷を付けられない緊張感はあったが、この街と信頼関係を築く時間になった」と吉田さん。今も、当時知り合った店主らが経営面で相談にも乗ってくれているという。東京都豊島区の西武池袋線東長崎駅から徒歩数分。飲食店が入るビル2階のラーメン店「カネキッチンヌードル」は「ミシュランガイド東京2019」で価格以上の満足感が得られる「ビブグルマン」の店として紹介された。
店主は埼玉県朝霞市の金田広伸さん(47)。店は、同市内での間借り営業からスタートした。14年、飲食系の会社で工場勤務の仕事をしながら、中学時代の同級生が営む食堂の定休日に場所を借り、初めてラーメン店に乗り出した。食堂の台所や冷蔵庫を使わせてもらい、どんぶりんなどは自前の食器を持ち込んだ。15年に脱サラし、月1回程度だった営業を週2回に。数カ月後には1日80~100杯を売り上げる店に成長した。この間にできた知人が出資者となり、16年12月、約2千万円費やしてラーメン店をオープン。1年余で満足がいくラーメンが出せるようになった。「間借り店でシミュレーションができた。金銭面のリスクが低く、結果を出せたので独立する自信にもなった」と金田さんは話す。同じように、飲食業に乗り出したい人に間借りさせることも検討したいという。
食中毒の責任 明確に 実際に間借り営業に乗り出す際は注意も必要だ。飲食業を営むには、食品衛生法に基づき都道府県が条例で定める「施設基準」を満たす必要がある。東京都の場合、間借りで営業する場合も原則として店の営業者ごとに許可が必要だ。間借り店が食中毒を起こした場合、施設の改善が必要と判断されたら間借りさせた店も営業できなくなる場合もある。「衛生管理体制を整え、責任の所在をはっきりさせておくことが重要。施設基準は自治体ごとに異なる」(都福祉保健局食品監視課)という。間借り営業をビジネスとして支援する動きもある。08年からシェアスペース事業を行う「軒先」(本社・東京)は昨年5月、吉野家ホールディングスと共同で飲食店に特化した間借り支援サービス「軒先レストラン」を始めた。貸す側がホームページに店装や条件を掲載し、借りる側が選ぶ仕組み。運営側が仲介者で相談に乗ることもある。店舗掲載数は1月中旬現在、東京を中心に神奈川、埼玉、大阪、福岡など全国に計160件。吉野家の担当者は、飲食店の間借り営業ニーズが増えている背景について ①利用者は初期費用が安く抑えられ料理に集中できる ②物件オーナーは店舗の採用難や店主の高齢化に対応できる ③SNSやスマホの普及で路面店でない店も選択肢に入ってきた、と分析する。 (山口啓太)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

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