2月24日 新聞を受験・教育の場で 池上彰さんインタビュー

朝日新聞2019年2月19日31面:主体的に読んで得る実り 受験や教育の現場で、新聞を読む力が求められている場面も増えています。新聞・テレビで活躍する池上彰さんに、新聞を使って学ぶ意義を聞きました。
世界がグローバル化していて、トランプ大統領が一言何か言っただけで世界の中が動きます。あるいは中国の経済がおかしくなると、回り回って日本の会社に勤めている人にも思わぬ形で影響があります。いろんなところで起きるニュースによって、私たちの暮らしが大きな影響を受けます。「だからニュースに敏感であった方がいいよね」といことになると思います。例えば今回の統計不正問題。とんでもないことになっていますが、単に厚生労働省が統計処理を間違っただけではなく、実は本来もらえるはずの雇用保険が満額もられなかった、労災保険が少なかったという話です。テレビでニュースをいただけだと「へー、そうなんだ」で終わってしまう。しかし新聞をよく読むと「雇用保険を本来もらえる人が満額もらえなかった」と言う話にだと分かり、「不安だったらこちらへ」という電話番号まで書いてある。直接被害を解消するきっかけにもなる。
これは同時に教育にも役立ちます。統計の数字はちょっとみただけではよく分からないけれども、とても大事だと分かります。今回の場合でいうと、従業員500人以上の会社に対してすべて調査をしなくてはいけないのに、東京都については3分の1しか調査をしていなかった。新聞各社は、都内の500人以上の企業は地方よりも平均給与が高いので、その高いところが入っていなかったら、平均給与は下がっていると言葉で説明している。その部分に対する図解はないですよね。だから逆に新聞を題材にして、東京の社数、地方の社数、給与などをモデルケースを活用しながら平均給与を算出し、本来は東京のほうが高いはずなのに、この額だったよ、とすれば学校の授業になる。中学受験対策に使えますよ。小学校6年生と中学校2年生の全国学力テストの国語問題を見ると、「新聞の読み方」がけっこう出ます。例えばグラフや表が出て、それを解説する記事がある。グラフや表を見ながら答えないという問題が増えてきています。
現行の大学入試センター試験に代わる新テストでも、文章を読ませた上でその中に出てくるグラフや表を使ってさらに考えさせる問いかけがあります。これは新聞を読んでいるとつく力です。「今の若い人はインターネットで短い記事しか読まない。長い記事を読む力が急激に弱っている」という教育現場の問題意識があります。大学で学んだり研究したりするには長い文章を読む力がないと困るという意識があるので、試験の文章が実に長くなったのです。この前も新テストの2回目の試行テストを実施しましたが、解いた人たちは「文章が長くて時間が足りなかった」と言っている。しかし今、その力が求められている。普段新聞を読んでいるといくらでも解けます。活字に対しては主体的に取り組まないと、実りを得ることができない。新聞を読むことは主体的にものを考えるきっかけになると思います。(聞き手 教育総合本部長・桜井透) *下は26日に掲載予定です。
ニュース検定 朝日新聞社も主催に ニュースを読み解き、活用する力を養い、認定するニュース時事能力検定試験(ニュース検定)の主催に、2019年度から朝日新聞社が加わります。ニュース検定はこれまで、日本ニュース時事能力検定協会や毎日新聞社など全国の30の新聞社・放送局が主催してきました。2007年度からの12年間で、志望者数は累計41万人を突破しています。
SNS、動画サイトの普及やネットメディアの隆盛で、情報を入手するルートが多様化する現代。自分で情報を手に入れ、真偽を判断する力がますます必要とされます。ニュース検定は、ベテラン記者や有識者らのチームが厳選した良質な問題を出題。現代社会を読み解く総合的な「時事力」を測ります。検定の公式教材は毎年春に改定され、最新のニュース、旬の話題が盛り込まれています。2~5級の検定問題の約6割は公式教材から出題されるため、受験対策に最適です。ニュース検定は全国約400の大学・短大の入試で評価・優遇されるほか、就職活動の筆記試験や面接でも役立ちます。日々の新聞を読んで培った時事の知識を試す生涯学習の教材としても活用いただけます。6月の検定 3月1日から受け付け ニュース検定は年4回実施します。詳しくは公式サイト(https://www.newskentei.jp//)から。

 

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