2月24日 オトナになった大人たちへ 益田ミリ

朝日新聞2018年2月16日29面:イチゴを好きなだけ イチゴが大変なことになっている。ホテルのイチゴデザートバイキングが大人気なのだった。ここ数年、わたしも毎年行っているのだけれど、それはそれは楽しい。楽しくておいしい。あと、かわいいのである。あれこれ趣向を凝らしたイチゴのデザート。インスタ映えるから、オトナになった女子たちで大にぎわい。ホテルによっては予約を取るのも一苦労である。
今年も、早速、行ってきた。大阪に住む母を誘い、京都のホテルのイチゴデザートバイキングへ。「行ってみる?」メールをすると、「うれしい行きます」返信、超早かった。当日、京都駅で待ち合わせ。初体験の母は、昼ごはんも「大根炊いたの食べただけ」と、かなり控えめにしてきたようだった。
バイキングのスタートは午後3時半。広いホテルのレストランは満員御礼。カップルもいるが、9割方が女性陣である。予約客は、一旦、案内された席へ。スタートの合図とともに、どやどやとイチゴデザートに群がった。
イチゴプリン、イチゴショートケーキ、イチゴロールケーキにイチゴクレープ。どれにしよう。わたしが迷っている隣で、母はてきぱきとデザートをゲット。母の取り皿は、あっという間にニューヨークのビル群(行ったことないけど)みたいに密集していた。潔い。わたしなどは、「原価が高そうで、おいしそうなのを・・」などと邪心たっぷりだから、なかなか決められないのだった。
もう30年近く前になるだろうか。ホテルのケーキバイキングが目新しかった頃、友人たちとはしゃいで出かけて行った。並んだケーキは、今から思えばそっけないものだった。生クリームものっていない。それでも、「何個でも食べてええってすごいな!」と楽しい思い出である。
母はイチゴデザートバイキングを満喫したようだった。むろん、わたしも。食べ過ぎて、その夜はふたりともなにも食べなかった。翌朝、「まだ、おなか減らんな」。母と笑い合った。(イラストレーター)

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