2月23日てんでんこ 首長たち「18」

朝日新聞2018年2月16日3面:「ライオンが放たれた」。このデマを打ち消すため、熊本市長は自ら発言した。 「動物園からライオン放たれたんだが」2016年4月の熊本地震前震発生直後、ツイッターにライオンが街を歩く画像とともに投稿があり、広がっていった。熊本市長の大西一史(50)はそれを同級生86人のLINEで知った。すぐ事実ではないと確認し「ライオンはデマ確認済み」と打った。他にも「火災発生」などのデマが写真とともにインターネット上に流れ始めた。
大西は、ツイッターでつぶやいた。「震災関連の情報は、熊本市のHP(ホームページ)の情報が公式なものです。これ以外の発表は熊本市からの発表ではありません」。広報課にはHPが多くのアクセスに耐えられるよう強化する指示を出した。大西はデマに直接触れず投稿した。触れると「ライオン」という単語だけ切り取って加工され悪用されることを知っていた。投稿は1万3千件引用され混乱の回避に役立った。地震前も3万人近いフォロワーがいたが、今は情報を求める人で3倍以上に増えた。前震から約25分後には「落ち着いて行動して下さい。現在私は市役所におります」と投稿。被災情報を伝えつつ、水道の漏水個所を知らせてもらったり、物資の荷さばきのボランティアを募集したりするために活用した。
市災害対策本部で右手にスマートフォンを握りながら指揮する大西に当時の副市長、高田普(63)は「ちょっとそのスマホ1回置かれたらどうですか」と声をかけた。職員からすれば異様に映るのも無理はない。だが、大西は使い続けた。「SNSに振り回されないように情報収集した。ツイッターへの投稿も市長が正しい情報を出せば効果が大きい」大西が情報を大切にする原点は、23年前の阪神・淡路大震災だ。当時、園田博之官房長官の秘書として首相官邸に詰めていたが、「情報が入らず、みんなでテレビを見ていた」という苦い経験があった。
ツイッターは熊本県議時代の9年前に始めた。積極的に使うようになったのは震災前からだ。雨で花火大会の延期を伝える市のHPにアクセスが殺到し、ダウンしたが、大西がツイッターで流すとあっという間に伝わって騒ぎは収まった。発信力を思い知った。ただ、人口約70万人の都市を襲った地震にツイッターで対応できることは、当然ながらほんの一部に過ぎない。(沢田紫門)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る