2月22日 森友「特例」何度も検討

東京新聞2018年2月14日2面:13~15年「昭恵氏に相談」後から「値引き」前まで 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で財務省が先週末に新たに公表した20件の内部文書は交渉記録ではないのかー。13日の国会審議で政府は否定したが、文書には、学園側の要求に国側が応じる過程や交渉経緯が記されていた。疑念は深まるばかりで、当時の財務省幹部らに説明責任を果たすよう求める声は根強い。
 ■追及 「誰が見ても交渉記録だ」。13日の衆院予算委員会で、立憲民主党の長妻昭氏は「当局が学校法人を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える」と記されている2015年1月9日付の文書を示して追及した。昨年、当時の佐川宣寿理財局長(現国税庁長官)は面会記録などを「破棄した」と国会答弁していた。文書の多くは学園側と近畿財務局の交渉を踏まえ、局内で法的な検討をした過程が記されている。これが交渉記録かどうかは与野党で意見が対立する。長妻氏は「これは面会の記録になる。なぜ(昨年の)国会で出さなかいのか」と批判。麻生太郎財務相は公表した文書は「法律相談であって面会記録ではない」と述べ、佐川氏の国会答弁を擁護した。
 ■優遇 問題の国有地は、地中から新たなごみが見つかったとして8億円余りも大幅値引きし、学園側に売却された。新たな文書はそれ以前の13年8月から15年4月までに作成され、過去に2例しかない売却前提の賃貸借契約という「特例」にために何度も交渉があったことが記されている。
特別扱いの背景として疑念がくすぶっているのが、財務省による安倍晋三首相への忖度だ。学園前理事長の籠池泰典被告=詐欺罪などで起訴=によると、12年10月ごろには、首相の妻昭恵氏に小学校建設構想を相談していたという。籠池被告の証言が事実だとすれば、新文書は昭恵氏に相談後の記録になる。
文書から分かる学園側の要求は、契約形態や貸付料値下げ、小学校の認可遅れへの対応など多岐に及ぶ。国は学園の財務状況を懸念し、異例の賃貸借契約に慎重になる一方で、交渉を続けるざるを得なかったように読める。
 ■招致 共同通信社が今月実施した世論調査では、佐川氏を国会招致すべきだとする回答、昭恵氏の会見や国会での説明が必要だとする回答が、ともに6割を超えた。内部文書を情報公開請求していた上脇博之神戸学院大教授は、文書について「法律相談といっても、学園側の要望に対しての検討だ」として、文書は交渉記録に当たると主張。さらに「基となる学園との直接の交渉記録も残っていないのはおかしい。真相究明のためにも、佐川氏や昭恵氏らを同時に証人喚問する必要がある」と話している。
(清水祐樹、白山泉)
佐川氏人事で口閉ざす首相 衆院予算委 安倍晋三首相は13日の衆院予算委員会で、「森友学園」への国有地売却に絡み、財務省理財局長当時の国会答弁が問題となっている佐川宣寿氏が国税庁長官にふさわしいかなどと繰り返し問われたものの、財務相が人事権者だとして答えを避けた。これまで「適材適所」と強調してきたが、佐川氏への批判の高まりを意識したものとみられる。13日の衆院予算委で、立憲民主党の長妻氏が確認のため首相に何度も答弁を求めたが首相は座ったままだった。
代わりに麻生太郎財務相が「適材適所で配置する考え方に基づいて行なっている」と強調。税務経験が豊富であることに加え「多種多様な課題の解決に当たってきた人物だ」と絶賛し、長官として適任だと主張した。首相は、麻生氏に続いて二度答弁し「任命権者である財務相が答弁した通りだ」とだけ語った。麻生氏は、野党が求める佐川氏の国会招致を拒否する考えも重ねて示した。
国税庁長官を含む国家公務員の幹部人事の任命権は各閣僚が持つが、国家公務員法は「任命権者はあらかじめ首相と官房長官に協議した上で、その協議(任免協議)に基づいて行う」と定めている。長妻氏は「首相が自分の言葉で語るのは何か不都合があるのか」と批判した。(金杉貴雄)

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