2月22日 新聞を読んで 永田浩三

東京新聞2019年2月17日5面:記者の尊厳を守る 市民の知る権利に奉仕する記者の尊厳を新聞社、他メディア、市民はどう守るのか。2月6日朝刊24面に2段の記事が掲載された。「本紙記者質問に『誤認、問題』新聞労連、官邸に抗議」とあった。首相官邸が、内閣記者会という記者クラブに対して、東京新聞記者が菅義偉官房長による会見で、事実誤認による質問や度重なる問題行為を行ったという理由をつけて、記者の仲間に問題意識を共有するよう要請したことについて、5日に新聞労連が抗議したという記事だ。これは新聞労連の行為を記事にしているが、東京新聞の社としての覚悟が示されている。加古陽治編集局次長の談話。「今後とも読者の『知る権利』に応えるため、本紙記者が取材等で知り得た事実関係に基づき質問に臨む方針に変わりはありません」。簡潔で明快な意思表明だ。
官邸が問題視したのは、昨年12月26日の望月衣塑子記者による質問。沖縄県名護市辺野古の埋め立て現場に赤土が広がっているとして、政府の対応をただした。この質問に官邸はブチ切れた。「事実に基づかない質問は厳に慎む」よう東京新聞に要請するとともに、内閣記者会にもなんとかしろと迫っただった。朝日新聞によれば、記者会側は「質問の制限などできない」と毅然と? 伝え、官邸側も「(制限できないことは)分かっています」と答えたという。
2月7日朝刊26面は、この事態に、野党の議員2人が、官邸報道室の上村秀紀室長らに事実確認を行ったことを伝えた。ここでも上村室長は、「事実に基づく質問をしてください」と言い、加古編集局次長は、事実誤認とは考えておらず、国は実態を把握できていないのではと語った。2月10日朝刊23面の山口二郎氏の「本音のコラム」の論は鮮やかだった。何を聞いても「問題ない」を繰り返す官房長官に対して「主観で事実を覆い隠す記者会見を繰り返しながら、記者は事実に基づて質問しろとは何事か」。ブーメランという例えがあるが、事実を無視し、質問を妨害してきたのは官邸の側だ。まず自身から襟を正すのが筋ではないか。
2月13日朝刊3面では、国会での衆院予算委での菅氏と野党議員のぶつかり合いを伝えた。官邸は一切非を認めない。一連の出来事は、メディアへの圧力を強める政権の体質を浮かび上がらせた。記者は市民の知る権利の代行者。記者が黙らさせることは、民主主義が破壊されるとこだ。そのためには、メディア同士の連帯が不可欠だ。その連帯の方向は、菅氏ら官邸が求める「集団的排除」では断じてない。(武蔵大学社会学部教授) *この批評は最終版を基にしています。

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