2月21日 未来ノート 奥原希望

朝日新聞2018年2月11日15面:絶対女王への道 負けて驚かれる選手に 「勝って驚かれるのではなく、負けてニュースになるような選手になりたい」昨年8月、リオデジャネイロ五輪銀メダルのシンドゥ・ブサルラ(インド)を決勝で破り、世界選手権で日本のシングルス史上初の世界一に輝いた奥原希望は、帰国会見の場で語った。
思い描くのは、女子レスリングの伊調馨や吉田沙保里、柔道の選手たち。試合で負けると「ええっ?」と驚かれる存在だ。世界一になって以降、祝勝会の場や記者会見で奥原は「絶対王者」という言葉を口にするようになった。頭の中には「理想とするもう1人の自分」がいるという。その自分は「追いつこうとしても、必ず自分の一歩先を歩いていく」。だから、世界選手権で優勝しても「勝った瞬間に、それは過去のこと。大きい大会で結果を出せるという自信はついたけど、あくまで通過点」と言い切る。
では、東京五輪で金メダルを取っても「理想の自分」にはたどり着かないのか。「近づけたかなあ、くらいですね。自分が妄想している人間像は本当に完璧だから」と笑う。「勝つことだけじゃない。子どもたちがめざす、まねしたくなるアスリートにならなきゃいけないし、そういう人間力を持った人に私はなりたい」
インタビューの最後に、子どもたちに向けて色紙にメッセージを書いてもらった。普段サインを書くときにそえるのは埼玉・大宮東高時代の恩師大高史夫さん(66)が掲げていた「克己心」(こつきしん)。苦しいとき、自分に打ち克ことが大切だと言われてきた。ただ「克己心は子どもには難しすぎるかな」。いろいろ考え、この言葉を記した。「今を全力で」 東京五輪に向けても「1日1日、自分がやるべきことを最大限にやっている」と語る奥原らしい言葉だ。(照屋健)

 

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