2月20日てんでんこ 計画運休「3」直撃

朝日新聞2019年2月15日3面:過去の半生から積み上げたノウハウ。「安全最優先、空振りを恐れない」 日本のはるか南、マリアナ諸島付近で台風21号が発達していた。「週明け、やばそうやな」。昨年8月31日、JR西日本近畿統括本部安全次長の大野泰弘(52)の脳裏に「全面運休」の4文字が浮かんでいた。9月2日の日曜、大野は指令所長とひざを突き合わせた。京阪神は暴風域の予報円にすっぽり入り、立ち往生する帰宅困難者が発生した3年前と同様、台風の東側に入る可能性が高い。「非常に強い勢力」(最大風速44~54㍍)で上陸すれば25年ぶり。1993年の台風13号は死者・行方不明者48人が出ている。
「これはあかん」。互いに一致し、京阪神24路線を全て止める方針を決めた。問題は実施の時間帯だ。間引き運転の後、運転を取りやめ、再開に向けて列車を車両所に入れてしまいたい。運休は前日夕までに予告すると決めているが、3日午前10時45分には「翌日午前10時には運転を取りやめる」と発表した。「終日見合わせの可能性がある」とも付け加えた。6月18日の大阪北部地震で運転の再開遅れが響き、大勢の帰宅困難者を出した。大野は「予知できる台風では立ち往生や帰宅困難者は出さない。帰りの見通しもできるだけ早く伝えると強く意識している」と話す。
ただ、列車を動かせる時は運転するというのも「大原則」だ。予告後、気象情報の確認を続け、9月5日午前9時20分に全線運休を4日午前10時から正午へと修正した。同時に、過去の反省から、路線ごとに主な駅の最終列車をホームページに掲示した。台風21号は京阪神を直撃した。関西空港では空港線が通る連絡橋にタンカーが衝突するなど各地で様々な被害が出た。最接近は予想より早まり、列車を車両所に入れ終えたのは午後2時ごろでギリギリだったが、運航を全て止めたことで利用者の安全は守った。同じ月、21号並みの勢力の24号が列島に近づいた。29日昼に30日正午の運休を予告。京阪神への直撃はなく、結果的に運休開始は早かった。時間設定の難しさはなお残るが、大野は「過去の反省を生かし、ノウハウは着実に積み上がってきた」と自信をのぞかせる。
来島達夫(64)は社長就任後、昨年初めて計画運休を経験。「空振りを恐れない覚悟で安全最優先で止める。運休後は速やかに再開し、ご迷惑をかけないようにしたい」と次の台風シーズンを見据える。 (波多野大介)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る