2月2日 新聞を読んで 小林美希

東京新聞2019年1月27日5面:権力に厳しく人に優しく 新春1月5日の1~3面を飾ったのは「超党派ママパパ議員連盟」代表者の華やかな座談会だった。女性国会議員4人が「おかしな永田町を変える」と本音を語った。約20年前、半世紀ばりの国会議員の妊娠、出産となった橋本聖子さんは「国会議員が妊娠するか」と驚かれ、欠席届に書く理由は出産ではなく「その他(突発的な事故)」として扱われたという。子育て中の議員は増え、78人の議連メンバーが中心となって子育てしやすく変えていこうとしている姿に、希望が見えてくる。政界と似ているのが医療界だ。妊娠中や子育て期に夜勤や当直ができないと一人前扱いされず、冷遇されて辞めていく。今もなお病棟で働く看護師の間では、妊娠すると「妊娠者が出た」とまるで罪人扱い。産休や育児休業をとろうとすると「事故欠が出る」と言われる現場が存在する。医師の働き方改革にもスポットが当たるなか、19日21面の「あの人に迫る」では、産婦人科医の桑江千鶴子さんのインタビューが掲載されている。桑江さんは、女性の医師が出産や育児のために仕事を辞めていかずに済むようにと2006年、日本産婦人科学会に要望書を提出した功績を持つ。同じ年、福島県の産婦人科医が医師1人体制というなかで帝王切開手術を行い、産婦が死亡したことで執刀医が逮捕された結果、お産の現場を離れる医師が急増する厳しい時期でもあった。その2年後、都内の妊婦が脳出血を起こすと、救急搬送の受け入れ先がすぐに決まらず死亡したため、「妊婦たらい回し」報道が過熱した。国が重い腰を上げ、妊娠期から新生児をみる周産期医療体制の見直しが図られた。しかし、医療崩壊の窮地に立たされていた産科や新生児科の医師たちは「この国は、人が死ななければ動かない」と失望していた。その頃に筆者は、周産期医療整備に関する有識者会議を取材。偶然、帰り道が一緒になった桑江さんと、女性の働き方について熱く語ったことがある。それから10年あまり。人の命や生活を守る職業を大切にする機運は高まったのだろうか。
24日1面は、東京都が本年度50億円もの予算をかけたベビーシッター補助1500人枠で、たった8人しか利用者がいなかったというスクープ。制度の内容を詳しく見ると、利用者より事業者にとってメリットがあるとも受け取れるものだった。今年10月から実施予定の幼児教育の無償化政策でもシッターは対象になっている。密室で1対1の保育となるシッター業を後押しするよりも、安全基準のしっかりした保育所整備を優先させるべきではないか。「権力に厳しく人に優しく」(3日「論説特集」)に尽きる。(ジャーナリスト) *この批評は最終版を基にしています。

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