2月16日てんでんこ 伝える「25」視点

朝日新聞2019年2月9日3面:地域メディアで住民は賢くなる。地域をよくするためにジャーナリストは書く。 「伝える」では、被災地に根づくラジオ、テレビ、新聞、ウェブを紹介してきた。国内外の地域メディアにくわしい渡辺武達・同志社大名誉教授に、住民自身が情報を伝える意味について聞いた。
ー地域メディアの存在意義は何ですか?「住民が賢くなるということにつきる。地域の情報に多く触れることで地域の課題に関心を持ち、議論が始まり、行政を監視する意識も高まる。情報を受ける側もそうだが、まずは集めて発信する側の成長が期待できる。地震後に始めた『大槌新聞』やウェブの『阿蘇西原新聞』の女性たちは、その例だ」 ーとはいえ、紙媒体は経営が大変です。「秋田で週刊新聞『たいまつ』を書き続けた反骨のジャーナリスト・故むのたけじも、一番苦労したのは新聞を売ることだったと語っている。読者や広告主は見返りがないとお金を出さない。工夫や協力者は必要だ」
ー地域のFMも運営費がかかります。「米国では、夫婦で運営し、普段はほとんど音楽を流し、災害時に切り替わる、というところが多い。国土が広く、すぐ公的な助けが来そうもなく、隣家も遠いところでは、地域情報を得る手段としてよく聞かれている」「日本でも、津波常襲地の三陸沿岸などでは都市部のように周波数が重なる心配もなく、コミュニティーFMを低コストで運営できるように基準を緩和すべきだ。行政も、普段から庁舎の一室を提供するなどの便宜を図れば、災害時は情報伝達に力を発揮する」 ー地域メディアは全国メディアの縮小版なのでしょうか。「いいえ。例えば視点が違う。中央の目線や全国平均の基準を押しつけるべきではない。もちろん地域エゴでもない。国益が『国エゴ』ではないのと同じだ」「ベトナム戦争をテーマにした著作などで知られる米ジャーナリスト、故Dハルバースタムは私に『コミュニティーをよりよくするためにジャーナリストは書く』と語った。彼の言うコミュニティーは、地球全体から家族までを指すが、私はジャーナリズムの原点は地域であると思う。社会で地域メディアを積極的に育てていくべきだ」 (東野真和)
◇「伝える」は終わります。13日から第37シリーズ「計画運休」を始めます。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る