2月13日てんでんこ 伝える「22」おまけ

朝日新聞2019年2月6日3面:コンサル任せの金太郎あめの構想より、住民による番組作りこそが地域おこし。 福岡県東峰村のケーブルテレビ「東峰テレビ」の総合プロデューサー、岸本晃(65)が、地域で「住民ディレクター」による番組作りを始めたのは1990年代からだ。熊本県の民放「くまもと県民テレビ」が開局した82年に入社。取材、撮影、中継、編集と何でも1人でこなせるよう鍛えられた。同僚が都市部の取材をしたがるのを尻目に、岸本は「農林水産の従事者から学ぶことが多い」と、好んで地方に取材に出た。そこで見たのは地域づくりの実態だった。「どの市町村の都会のコンサルに丸投げし、形ばかりの住民集会を開き、金太郎あめのように似た構想をまとめる。誰も実行できないままほこりをかぶっていた」。一方で、才能や熱意のある職員や住民がいても周囲がついていけず、隅に追いやられていた。「このままでは地域がだめになる」。思いついたのが、住民が主人公になり、住民自らがディレクターになって作る番組だった。
古びたボンネットバスを復活させたり、名産の高菜で独自メニューを作ったりする地域おこしを住民が実践し、その姿を何カ月も追うドラマも作った。制作費は市町村と折半し、職員も番組制作に加わった。96年に独立。番組作りを通じて地域活動を応援する会社を設立し、熊本市内のケーブルテレビの枠を2時間、無料で引き受けた。熊本県山江村で無農薬米をつくる農家が自らの農作業を撮影してコメを売り出す番組を作ったのを手始めに、衛星放送や地方のテレビ局で住民たちと村おこしの番組を制作した。活動が注目されて各地に呼ばれ、全国50カ所以上で住民ディレクターを養成した。
番組作りは情報を収集して企画し、人の輪を作ってまとめあげねばならない。「まさに地域おこしに必要な力。そのプロセスが大事で、番組は『おまけ』」とまで言う。2016年4月の熊本地震では、それはおまけではなかった。熊本県益城町の自宅が被災し、同じく被災した住民ディレクターとインターネットで現地の様子や被災者の生の声を連日配信した。2年後には、同県南阿蘇村を拠点に各被災地を多元生中継した。「1億円の機材でしかできないことが今はスマホのアプリでできる。地域で協力すれば、色んな情報発信ができる」 (東野真和)

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