2月13日 新聞を読んで 水野剛也

東京新聞2018年2月4日5面:次世代研究所にポジ出し 次世代研究所は、最も期待している本紙の活動の一つです。若手社員有志の集まりで、2015年、「東京新聞にダメ出し会議」(全10回)で紙面デビューし、「ポジ出しで行こう」「糧のことば」「LGBT企画」など多方面でさらなる飛躍を挙げています。昨年7月の都議選や10月の衆院選ではSNS班(別名「素人集団・なんとか・勝負しています!」、6月19日T発)を結成し、ペンに加え動画とインターネットをミックスした取材・報道に挑戦しました。
いまや本紙の「顔」となったチョウカンヌを生み出したのも次世代です。他業種の諸団体との協働にも熱心なチョウカンヌは、最近では企業キャラへのインタビュー形式で広告欄に進出(12月13日)、稼ぎを得るまでに成長しています。もっと出番があっていい気がします。権力乱用の監視、護憲、平和主義、弱者擁護、反原発、文化・芸能などとともに、本紙の「売り」になるはずです。
実は自分も、どうしたら若者を新聞に引き寄せられるかを、ここ10年近く考えつづけています。きっかけは、08年に日本新聞労連の産業政策研究会(産政研)に加わったことです。全国の新聞・通信社の若手・中堅社員が集まり、部数減に悩む業界の起死回生策を模索したのです。会は2期にわたり13年までつづきました。いくつかの報告書は労連のホームページ(www.shinbunroen.or.jp/news/news.htm)から無料でダウンロードできます。
断言できますが、ほっておけば、大学生の3%(桁の間違いではなく!)も新聞を手に取りません。中高生ならそれ以下でしょう。だからこそ、新聞社の側から積極的にアプローチする必要があります。魅力ある若者むけ記事がいくら多くても(「#こんな高速いらない」12月15日夕刊など)、読まれなければ意味がありません。もちろん、本紙の努力も認めます。記者の出前授業を記事化する「読者とともに」(12月10日メトロポリタン)や今年で第15回となる「新聞切り抜き作品コンクール」の作品紹介(1月9日メトロポリタン、22日社会)などは、継続する価値のある試みです。大学生を聞き手に起用するインタビュー(1月13日考える広場)も新機軸です。件の産政研は結局、業界を救う「特効薬」を処方することはできませんでした。そんなものは存在しないのだから当然です。けれど、社会全体のために、座して死を待つことも許されない。新聞は、世の人のため、もがきつづける宿命を背負っているのです。(東洋大学社会部教授)
*この批評は最終版を基にしています。

 

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