2月12日 教えて! 税制改正⑧

朝日新聞2018年2月3日7面:国民負担増 見えない将来像 政府は2日、2018年度の税制改正関連法案を閣議決定し、国会に提出した。成立すれば所得税やたばこ税など、個人増税が相次ぐが、この先もこうした増税が続くのだろうか。与党は昨年末にまとめた税制改正大綱で、今後の所得税の見直しについて「累次の改正の影響も見極めつつ、国民の理解を得ながら引き続き丁寧に議論を進めていく」とした。だが、その「累次の改正の影響」は少なくない。
大和総研の是枝俊悟研究員が昨年9月末時点で確定していた税制改正などの影響を試算したところ、11年から20年までの10年間で、家計が実質的に使える手取りのお金(実質可処分所得)は大きく目減りすることが分かった。この間、所得税や住民税の減税措置である控除の縮小が相次ぎ、14年と19年に消費税率の引き上げもある。さらに、年金保険料は段階的に引き上げられ、育児手当(子ども手当)の減額や所得制限の導入も実施された。
その結果、片働きの4人家族で年収500万円の世帯では、11年に434万円だった実質可処分所得が20年には404万円に、年収1千万円なら768万円から711万円に減る。今回の税制改正で決まった所得増税(20年1月~)の対象に含まれる年収1千万円の単身世帯は、実質可処分所得は726万円から692万円へと、34万円減る計算だ。納税者が負担増を受け入れたにもかかわらず、国の財政はなお「火の車」だ。
18年度の当初予算案の規模は、高齢化による社会保障費の拡大などで、6年連続で過去最大の97.7兆円。このうち税収で賄えるのは59.1兆円だけで、3分の1超を借金に頼る。22年以降は「団塊の世代」が75歳以上になり始め、社会保障費が急増すると見込まれる。財務所幹部は「将来的にはさらなる消費増税は避けられない」と話す。超高齢化時代を乗り切るため、いまの社会保障の仕組みをどう見直し、それを支える税金や社会保険料の負担はだれに、どれだけ求めるのか。国民の将来不安をなくすには、そんな中長期の将来像を見据えた議論が欠かせないが、今回の税制改正ではそうした議論はほとんど見られなかった。
日本総研の西沢和彦主席研究員は「税と社会保障を一体で議論し、将来必要となる税収規模を見積もり計画的に税制改正に臨むべきだ。ゴールを示さずに小手先の増税を繰り返しても納税者の理解は得られない」と指摘する。(長崎潤一郎) 「税制改正」は今回で終わります。

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