2月12日 平成とは 消費税「6」

朝日新聞2019年2月5日夕刊10面:「朝日はどう書く?」 消費税導入から7年半たった1996年秋、私は予算編成や税制を担当する大蔵省詰めの記者として、今度は3%から5%への税率引き上げ問題を取材した。自民、社会、さきがけの連立政権は「増減税一帯の改革」で所得税や住民税の減税を先行させ、消費税を増税すると決めていた。安定財源を確保するためだった。
初の小選挙区制による衆院選が10月に迫る。橋本連立政権は6月、翌年春からの税率上げを確認したものの国民の反発は強い。自民党を割って出て政界再編を起こした小沢一郎(76)は、新進党の党首として「据え置き」を主張して政権を揺さぶった。自民党内でも税率凍結論が強まった。朝日新聞の社説は、「消費税をもれあそぶな」との見出しで強まる凍結論に釘を刺し、新進党の据え置き公約にも」厳しい財政状況を考えれば、疑問点が多い」と断じていた。税金など政策の取材では経済記者も政治を追う。消費税のような大きなテーマなら、なおさらだ。自民党の選挙公約づくりが大詰めを迎えた9月30日。自民党幹事長だった加藤紘一の秘書から記者クラブに連絡があった。政調会長のころからの取材相手である加藤が、私と話したいのだという。
昼すぎに電話があった。「今日、消費税引き上げを公約として決める。朝日新聞はどう書く? 自民党は貧乏人いじめ政党だと書くか?」各社の税制担当記者に感触を尋ねていたのだろう。私は当時、引き上げはやむを得ないと思っていた。「財政が厳しい」という認識が広まり、消費税率上げを前提に94年から所得税などの特別減税も先行実施されていたからだ。「据え置き」なら財政はさらに悪化する。大蔵省の主張となかり重なる考え方だった。とはいえ朝日新聞の論調を、現場の一記者に聞かれても、「困ったなあ」だった。 =敬称略 (元朝日新聞編集委員・安井孝之)

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