2月11日 教えて! 税制改正⑦

朝日新聞2018年2月2日7面:法人税にアメとムチ3%賃上げ実現する? 「経済の好循環を回していくためには、今年の賃上げ、3%をお願いしたい」1月5日、経済3団体による新年祝賀会に出席した安倍晋三首相はこう述べ、居並ぶ経営トップに今春闘での賃上げを要請した。賃金が上がれば消費も増え、政権がめざす「デフレ脱却」にも近づくー。そんな狙いから、2018年度の税制改正には、首相がいう「3%の賃上げ」を「アメ」と「ムチ」で後押しする法人税の改正が盛り込まれた。18年度から3年間に限っての措置となる。アメは減税だ。大企業の場合、平均給与支給額を前年度より3%以上増やしたうえで、生産性の向上につながる国内の設備投資や社員の教育費を一定以上増やすと、賃上げ総額の最大20%を法人税額から差し引いて減税する。これまでは2%以上の賃上げで最大12%だったが、減税幅を広げた。中小企業はさらに条件を緩くして、1.5%以上の賃上げで賃上げ総額の最大15%を減税する。2.5%以上賃上げして、社員教育などの人材投資も手厚い場合は最大25%まで減税幅を拡充する。こうした「アメ」」の一方で、賃上げに消極的な企業に対する「ムチ」も導入。業績が好調なのに平均給与支給額が前年度を下回るなどした大企業は、別の減税措置の一部を受けられないようにし、事実上の増税にする。
ここまで賃上げにこだわる背景には、政権がめざす「経済の好循環」が実現できていないという危機感がある。日本銀行の大規模な金融緩和による円安や株高で、企業業績は過去最高水準だが、賃金は伸び悩んでおり、一方、企業が利益を蓄積した「内部留保」は過去最高の406兆円(16年度)に膨らみ、政権内には賃上げを渋る企業への不満もくすぶる。
今回の措置で、3%の賃上げは実現できるのか。政権の強い要請を受け、経団連は今春闘で、賞与も含めた年収ベースで3%の賃上げという異例の数値目標を掲げ、会員企業に賃上げを促している。ただ、連合のまとめでは、3%以上の賃上げは1994年の3.11%が最後。17年は1.98%にとどまっており、ハードルは高い。
企業が高い賃上げに二の足を踏む背景には、人口減による国内市場の縮小や国際競争の激化など、構造的な問題がある。税制でどれだけ賃上げを後押しできるのかは不透明だ。(長崎潤一郎)

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