12月6日 教えて! NHK受信料「5」

朝日新聞2017年11月30日7面:微収んお経費、どう抑える? 「ニュースをお願い」AIを搭載した最新式のスピーカーにそう呼びかけると、キャスターの落ち着いた声が聞こえ始める。少し前に放送されたNHKラジオのニュースだ。今秋。NHKは、米グーグルのスピーカー「グーグルホーム」にラジオニュースを無償で提供し始めた。音声を認識し、話しかけてるだけで音楽をかけたり家電を操作したりできる「スマートスピーカー」だ。
表向きは、将来的な普及を見越したラジオのPRだが、幹部は「NHKへの接触率を高め、受信料支払いの理解につなげる狙いがある」と明かす。受信料の支払い率は2016年度で78%。3年連続で過去最高を更新した。相次ぐ不祥事で69%まで下落した06年、支払い督促や法的手段に訴えて不払いの抑止に乗り出し、支払率は回復を見せてきた。08年度には、確実に受信料を微収できるよう業務の法人委託もスタート。現在は全国の280以上の人材派遣や電気・水道検針など営業力やノウハウを持つ業者が契約・微収を担う。
数字は回復したが、不公平感を解消するにはほど遠い。都心部を中心にオートロックマンションが増え、在宅時間の深夜化が障壁となる。近年は「受信料微収員の撃退法」といったサイトがネット上にあふれている。受信契約をせずにフリーライド(ただ乗り)する視聴者は一定数おり、「不公平だ」と苦情を入れる人もいる。とはいえ、受信料を集める営業経費をこれ以上かけられない事情もある。
14年9月。次年度からの3ヵ年経営計画を議論する経営委員会で、委員の一人が営業経費の高さに苦言を呈した。17年度の受信料収入6889億円のうち、735億円。収入の1割超が契約や微収の経費に消えることになる。執行部は「訪問巡回に頼らざるを得ず、一定の経費がかかる」「公平負担のためにはやむ得ない」と理解を求めたが、経営委では「かけすぎ」との認識で一致したという。
法人委託などに取り組んで以降、経費を20億円超減らしたが、さらなる打開策が求められるNHKは、今年2月に設置した会長の諮問機関に妙案を求めた。電力、ガス会社などに未契約世帯の居住情報を紹介できる制度の検討をー。諮問機関が9月に出した答申は批判を呼んだ。視聴者からの意見募集では、「個人情報保護法に関する慎重な検討が見られない」などとする反対意見が多数寄せられた。
3年前、「営業経費1割超え」を批判した委員は、現会長の上田良一氏だ。経費を抑えつつ、どう支払率を高めるか。次の3ヵ年計画を策定中の今、上田執行部の知恵が問われている。(小峰健二)

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