12月4日てんでんこ ブラックアウト「14」新千歳空港

朝日新聞2018年11月28日3面:「飛行機は飛べるのか」。空港は、停電とビル被害で全館閉鎖した。 新千歳空港(北海道千歳市)は国内線28、国際線17の路線を結び、1日約400便が発着する北海道の空の玄関だ。空港を大きな揺れが襲った9月6日朝、新千歳空港ターミナルビルディングの施設担当で常務取締役、月森治(56)は空港へ急いだ。始発便は午前7時半。「飛行機は飛べるのか」と頭をよぎった。機材繰りや機体のトラブルを除けば欠航の原因はほとんどが降雪によるものだ。到着した時、全館が停電し、非常用の自家発電に切り替わっていた。新千歳空港の消費電力は一般家庭の約5千世帯分に相当する。電力は2系統から供給される仕組みで、一方が止まっても、もう一方で確保できる。全面ストップは経験したことがなかった。
停電しても4台の自家発電機で運航業務は続けられる。だが、問題は燃料。苫小牧の製油所から陸送していた。長時間の停電に備え補給を依頼したが、「停電で積み込みができない」。状況は一気に悪化した。さらにビルの被害は全館に及んでいた。特にダメージが大きかったのがスプリンクラーの破損。出発・到着ロビー、搭乗待合室、商業施設などいたることろが水浸しになった。滑走路や管制機能に異常はなく、航空機の運航は可能だったが、停電と予想以上の被害で、「利用客の安全確保が困難」と全館閉鎖を決断した。開港以来、初めてだった。
午後3時半からの記者会見で、月森は運航再開のめどを「電気の復旧から12時間はかかる」という見通しを示した。会見から約2時間後、空港に送電が再開された。フロアの清掃やスプリンクラーの補修、壊れた天井や壁の修繕。復旧作業に思わぬ助っ人となったのがビルの増設工事に従事していた建設作業員たちだった。約300人が手分けし、夜通しで作業にあたった。7日朝には国内線の再開を前に約4千人が空港に詰めかけた。午前10時43分、再開後の1番機が成田から到着した。翌8日には国際線も運航を再開。ただ、商業施設やホテルの全面復旧までには2ヵ月近くかかった。「揺れがもう少し長かったら今回の被害ではすまなかっただろう」と月森はみる。「燃料の補給態勢や設備の強化など、被害の最小化に向けて出来る手立てを早急に講じていきたい」 (志田修二)

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