12月3日てんでんこ ブラックアウト「13」海保

朝日新聞2018年11月27日3面:市民の充電用に巡視船の電源を活用。授乳室として船内の個室も提供された。 地震発生から12時間経った9月6日午後、北海道小樽市内は、ほぼ全域で停電が続いていた。小樽海上保安部の巡視艇「えさん」が停泊する小樽港第2埠頭では、給電サービスを待つ人が携帯電話を手に集まっていた。発生と同時に、海上保安官は庁舎や巡視船など、それぞれの持ち場に駆けつけた。小樽市では大きな被害はなかったが、「通電はいつか」「携帯の充電場所は」ち市役所に問い合わせが相次いだ。小樽海上保安部長の梶山裕司(56)は「何か支援はできないか」と思案した。熊本地震、東日本大震災で、海保は給水給電や風呂の提供など被災者支援をした。即応待機中の「えさん」と哨戒任務から帰港したがかりの巡視船「しれとこ」の両船長と協議し、巡視船を使った給電を決めた。岸壁に給電ブースを作るため、テントや机、椅子、テーブルタップが庁舎や船からかき集められた。電源コードの総延長は200㍍を超えた。「しれとこ」の乗組員は、充電する市民の対応にあたった。
地震後に非常電源を立ち上げ、地元情報の放送を始めた「FMおたる」に給電情報を流してもらい、海上保安庁のツイッターでは地図付きで伝えた。FMおたるを聞いた小樽市色内2丁目の自営業、野坂里絵(52)は、自宅から歩いて埠頭に向かった。年配の夫婦、若い家族連れや旅行者ら数十人がいた。充電時間の制限はなく、1時間半かけて携帯とタブレットを充電したという。停電中も巡視船には明かりがついた。船内の洋式水洗トイレを開放し、乳児連れの母親には、授乳室として乗組員の個室を提供した。洋上では不審船に「停船せよ」などと伝える電光掲示板に、「携帯電話の充電ができます」とテロップを流し続けた。
小樽市では7日午後11時までに市内全域で停電が解消した。市役所や市内の大型商業施設でも充電サービスはあったが、海保によると、埠頭では、巡視船による給電を開始した6日午後3時から39時間連続で、延べ1206人が利用したという。梶山は「震災では人命救助・捜索が本来の任務。だが、巡視船が被災地近くまで行き、給電や給水など被災者の生活支援をすることも必要だと感じた」と話す。(佐久間泰雄)

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