12月3日 平成とは原発が爆発した「4」

朝日新聞2018年11月27日夕刊10面:「取扱注意」の撤退情報 東京電力福島第一原発の4号機も爆発した。3月15日午後6時すぎ、政治部から連絡が来た。「取扱注意」との念押しのうえ、裏がとれれば、とのことだった。「今朝、菅直人首相が東電本店に行き、『撤退などありえない』と怒鳴り込んだ」。首相側近からの情報で、菅が東電に乗り込んだのは「昨晩9時、東電社長が海江田万里経済産業相に、『東電社員を全部引き揚げたい』と電話してきた」からだという。東電が第一原発から撤退? 経済産業省10階の記者クラブから、大臣室がある11階に上った。フロアの隅から大臣室の出入りを見張る。緊急事態のはずなのに、意外にも静かだった。30分ほどして、紺色の防災服を着た海江田が現れた。廊下に出てトイレに入る。すかさず後を追った。「連れション」だ。当時の取材メモには、海江田は「かなり疲れた様子」とある。「大臣、こんなところですいませんが、おうかがいしたいことが・・」。海江田はちらりと私を見て「忙しいから手短にね」。東電撤退の真偽を聞くと、ゆっりくした口調でつぶやいた。「そんな大げさなもんじゃないんですよ。大げさなもんじゃあ」
用を済ませるとハンカチで目をこする。海江田は花粉症だ。「うーん。そんなところでいいですか。目がかゆくてたまないや」。そう言い残して大臣室に入った。記者クラブに戻って、ふと疑問が湧いた。海江田はなぜ大臣室の専用トイレを使わず、一般職員用に入ったのか。ひょっとすると、大臣室での緊張感に居たたまれなくなったのではないか。昨年、別の取材のおりに、海江田に当時のことを聞いた。トイレでのやり取りは覚えていなかったが、かなりの重圧に見舞われていたことは認めた。「福島では原発が暴走し、首都圏では計画停電。犠牲者がどれだけ出るのか、最悪の事態を覚悟していた」(編集委員・大月規義)

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