12月3日 パラダイス文書

朝日新聞2017年11月28日11面:第1部影の案内人③ 疑惑の主トランプ氏の恩人 「どんなささいな疑いも持たれないよう、細心の注意を払うようにしている」1月18日、米上院。ウィルバー・ロス氏は、前を真っすぐ見据えて答えた。米トランプ政権の商務長官に就任するのを前に、利益相反を問われた際のことだ。
80歳の大富豪。投資家として数々の低迷企業を立ち直らせ、「再建王」の異名を持つ。商売柄、幅広い業界の株を保有してきた。トランプ氏との出会いは1990年。カジノ計画で金回りのトラブルを抱え、債権者に追放されそうになっていた。カジノ父さんに待ったをかけたのが、債権者集団代表のロス氏だった。
リムジンに乗るトランプ氏を一目見ようと聴衆が殺到する光景に「まだまだ値打ちがある大物」と判断したとされる。トランプ氏はビジネス界にとどまり、結果的に大統領まで上り詰めることができた。商務長官は、米国の貿易や商業政策を担う。自らやトランプ氏の利益のために政策をゆがめかねないと、議会は厳しい目を向けた。
ロス氏は80社もの会社の株を手放すと表明。今年2月、「利益相反にはなりません」と宣言して長官に承認された。法律事務所「アップルビー」からの流出文書。その中にロス氏の関連法人をまとめたファイルがあった。
「GROUP EL ROSS」。内訳はこうだ。▽ケイマン諸島45社 ▽米デラウェア州8社 ▽ジャージー島1社 タックスヘイブン(租税回避地)を拠点とする「巨大帝国」をロス氏は築いていた。ここまで多数の法人を持つ顧客は、2万5千近い法人を抱えるアップルビーでも20に満たない。
法人名は同じような名前ばかりで、それぞれのつながりや事業実態は一見してわかりづらい。その中で、長官就任後も手放さなかった四つの法人があった。複雑に絡んだ企業構造の糸をたぐっていくと、ロシアのプーチン大統領に近い企業との利害関係が判明した。報道の直後は悪質性を否定したロス氏だが、問題の株を手放すと表明した。政権幹部に問題が起きるたびに更迭してきたトランプ氏。だが「恩人」の疑惑には無言を貫いている。

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