12月25日 政治風刺の漫才で話題

東京新聞2017年12月21日28面:ウーマンラッシュアワー・村本さん「お笑いで抑圧に風穴を」 お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」がテレビ番組で披露した漫才が、大きな話題を呼んでいる。原発や沖縄の基地問題、日米安保などをネタに、今の日本の政治を強烈に風刺した。コンビのボケ担当、村本大輔(37)は20日、「こちら特報部」の取材に応じ、「政治的なことを見て見ぬふりをしている人たちにガツンといきたかった」と語った。
「普段、お笑いを見ない人に『刺さった』ことがうれしい。沖縄や熊本などの被災地、原発のある地域からの反応はすごかった」。村本さんは落ち着いた表情で語った。番組後、ツイッターのフォロワー数は2万7千人増えたという。2008年結成の「ウーマンラッシュアワー」は、村本さん=福井県おおい町出身=と中川パラダイスさん(36)=大阪市出身=のコンビ。村本さんが速射砲のようにまくし立て、中川さんがにこやかに応じるスタイル。13年の漫才コンクール「THE MANZAI」(フジテレビ)で優勝した実力者だ。
話題になっているのは、今月17日に放送された今年の「THE MANZAI」での漫才。冒頭、所属する吉本興業の芸人の不祥事をやり玉に挙げ、「ニュースを読むのも芸人、犯罪を犯してニュースに出るのも芸人ですね」とやゆ。続けて、村本さんの故郷の福井県を自虐的に取り上げた。原発が集中しているにもかかわらず、おおい町では午後7時に店が閉まるし、「電気はどこへゆく!」と皮肉った。
沖縄の基地問題では米軍への「思いやり予算」に触れ、「アメリカに思いやりを持つ前に」「沖縄に思いやりを持て」と掛け合う。地震があった熊本や東北で仮設住宅に暮らす人はいまだに多いとし、東京五輪に向け「豪華な競技場建てる前に」「被災地に家を建てろ」。最後は、こうした問題をあらためて並べた上で「本当に危機を感じないといけないのは」「国民の意識の低さ!」と締めくくった。去り際には「お前たちのことだ!」とカメラに向かって指までさした。
ネット上では、賛否が交錯した。ジャーナリストの津田大介氏や映画監督の想田和弘氏が称賛する一方、「これはお笑いではない」といった反発もあった。今回のネタは、村本さんがニュース番組の取材で沖縄や熊本を訪れた経験が大きいという。「見てきたことをツイートしても、スルーする人はずっとスルーしていた。パンケーキ食べた、と書くと『いいね』が来るのに。何でリアルなことなのに共有しないのかな、と。スルーする人たちが見たくないものでも、お笑いに昇華すれば聞いてもられるのではないかと」編集段階でカットされるかもしれないと思ったが、そのまま放送された。「何よりも言いたいことを正直に言いたかった。日本のテレビでは変な忖度があって、芸人がテレビに出たくて、言いたいことを我慢している」と指摘し、「炎上をビビって忖度して、だれが決めたかもわからないような『標識』を、飛ばしてやったら爽快だった」と語る。
村本さんは、自身の政治姿勢について「右でも左でもいい」と語り、何よりも「考えてほしかった」という。心に残るのは、沖縄や熊本の人たちの「(私たちを)忘れないで」という言葉だという。「空気のようにスルーされないように、発言しなければいけない。沖縄や熊本の人もそう思っていると思う。抑圧された息苦しい、我慢しているところに、でっかい穴をあけて風を通しやすくするのがお笑いの仕事だと思っている」(佐藤大)

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