12月2日 平成とは原発が爆発した「3」

朝日新聞2018年11月26日夕刊10面:「壁の穴」の正体は 原発が異常な高温になり、普通はありえない放射性セシウムの放出が確認された。3月12日午後、記者会見で説明にあたった原子力安全・保安院の審議官、中村幸一郎は「炉心溶融(メルトダウン)の可能性がある」と話した。中村はこの後、会見のメイン担当から外される。経済産業相の海江田万里の指示だった。東京・内幸町の東京電力の本店に設置された政府との「統合本部」では「メルトダウン」は禁句になった。中村「解任」の理由を海江田は「記者とのやり取りがあまりにもおどおどして、国民の不安が増長すると思った」と後に説明している。経産省も首相官邸も、国民がパニックを起こすことに極めて敏感になっていた。福島第一原発1号機が12日に、そして14日午前11時すぎに、3号機が爆発した。2度目の爆発を知ったのはこの日の昼過ぎだった。記者クラブでの缶詰め状態が続き、近くにある行きつけのサウナで体を休めていた。着替えを取りに帰っていた1号機のときと同じく、私が経産省を離れると爆発情報が入る。悪いジンクスのように思えた。第一原発の原子炉建屋は北から南へ、1.2.3.4号機と並ぶ。4号機は震災の前から定期検査で停止していた。次に危ないのは2号機か。そう思っていた矢先、4号機について保安院が妙なアナウンスをした。
15日の夕方。発表者は別の審議官、西山英彦に代わっていた。「4号機の壁に、穴のようなものが開いた」翌日、穴の正体が分かった。東電からの提供写真に記者クラブがざわつく。「どこが穴だよ」。そんなささやきが聞こえる。私もそう思った。「吹き飛んでるじゃん」。3号機の原子炉で発生した水素が共同排気管塔の配管から4号機に流れ、爆発したのだった。事実を正しく伝えない日本政府に、国内外から批判が集まった。(編集委員・大月規義)

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