12月10日 未来ノート 平野美宇

朝日新聞2017年12月3日24面:一人でもやりきる リュック背負い東京・大阪へ 平野美宇(17)は2013年春、中学入学とともに、メダリストの卵を育てる「エリートアカデミー」に入った。山梨の親元を離れ、東京都北区にあるナショナルトレーニングセンターで寄宿生活を送る。中学生で1人暮らしは心細いだろう。でも、平野はあっけらかんと言う。「全然、困らないし、寂しいなんて思わない」。幼いころから「1人でやりきる」という姿勢が染みついているからだ。
長さ274センチ、幅152.5センチの台の上を時速100キロの球が飛び交う卓球は「高速の将棋」とも呼ばれる。1人で瞬時に玉の回転を見極めてラケットを振るので、判断力がとても大切な競技だ。母の真理子さん(48)は、食事や服装、読み聞かせる絵本など、どんなことでも「どっちが良いかな」と問いかけ、娘に決めさせる癖をつけた。小学2年生の09年1月、憧れだった福原愛の記録を抜き、全日本選手権ジュニアの部(高校2年生以下)に史上最年少で出場して初勝利。真理子さんは「小学校を卒業したら、この子は親元を離れるかもしれない。1人で生活できるように育てなければ」と感じた。
小学3年生になると、平野は大阪の強豪・ミキハウスや、東京・高田馬場にある東京富士大に1人で電車を乗り継いで出かけるうようになった。荷物も自分でリュックに詰めた。平野は「かばんを背負って高田馬場の商店街を1人で歩いていると、周りの人から『えっ』という顔をされることもあった」。最初は親がいない心細さもあったが、次第に「自分でやる」という姿勢が芽生えていった。
大阪の用具メーカーの関係者からは、こんな助言ももらった。「卓球『は』すごいねではなく、卓球『も』すごいねと言われる選手になりなさい」。五輪で金メダルを取っても、現役引退後の人生の方が長い。卓球以外でも、素晴らしい人になってほしいー。今でも大切にする言葉だ。(前田大輔)
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