12月1日 教えて! NHK受信料【3】

朝日新聞2017年11月25日5面:独占使用の根拠「公共放送」とは? 15条 協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。 1950年施行の放送法にうたわれたNHK(日本放送協会)の設立目的だ。国内唯一の公共放送として受信料を独占的に使う特権を与えられてきた。
一方で、放送法は民間放送の設立を認めた。戦後の占領政策を担った連合国軍総司令部(GHQ)が米国にならい放送に競争の原理を持ち込んだ。「戦前の放送はNHKだけだったことが政府にコントロールされた要因の一つだった」ちょ上智大学の音好宏教授(メディア論)。「GHQは受信料と広告収入という財源、全国と県域というエリアが異なる事業者が存在し、競争することで、権力から一定の距離を置きながら、多様な表現空間を担保できると考えた」と説明する。
ただ、電波は物理的に限りがある。放送法は「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図る」(1条)とうたう。公共性は、放送事業者すべてに求められる。法相法案の公聴会では設立準備中の民放側から「受信料の一部を民放に回すべきだ」との意見が出た。NHKの古垣鉄郎会長は「NHKに対する保護は国民全体の利益のみを目的とする公共放送の保護、国民の保護だ」と反論した。
「公共の福祉」は、憲法にも登場する。来月最高裁が判断を示す受信料訴訟では、「受信設備を設置したらNHKと受信契約を結ばなければならない」と定めた放送法が憲法に反しないかが主要な争点。一、二審判決は、NHKが災害報道などで果たす役割を踏まえて「公共の福祉に適合し、合憲だ」とした。
公共の福祉とは、個人と個人の権利がぶつかり合ったときの調整の原理とするのが、憲法学の通説だ。法律資格の受験指導校「伊藤塾」塾長で憲法に詳しい伊藤真弁護士は「憲法における公共とはパブリック。人々の集まりであって、社会や国家ではない」と解説する。「国の言い分を伝えるのは国営放送。公共放送に求められるものは、多様性の確保と言える」
広告収入に頼る民放とは違い、受信料は広く視聴者から集めるもの。「少数派の声を拾い上げて議論を巻き起こすことこそ、公共放送の役割」と伊藤弁護士。障害者や民族、宗教といったテーマや海外番組の紹介などを例に挙げ、「多様な議論のための情報を提供することが、知る権利や表現の自由につながる」。
NHKはどう考えているのか。今月2日の定例会見で公共放送の定義について問われた上田良一会長はこう答えた。「安全安心、公平公正と言っているが、文言を詰めて外にも説明していこうと思っている」(滝沢文那、湊淋子)

 

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