12日 年金運用2年ぶり黒字

朝日新聞2017年7月8日5面:2016年度7.9兆円株高の恩恵 年金積立金管理運用独立法人(GPIF)は7日、2016年度の公的年金の積立金の運用益が約7兆9363億円だったと発表した。黒字は2年ぶり。独自の判断を加えず幅広い株式に投資した結果、世界的な株高の恩恵を受けた。
16年度は英国の欧州連合(EU)離脱表明をうけ、株価が低迷する赤字基調をうけ、株価が低迷する赤字基調のスタートだった。流れが変わったのが、トランプ氏の米大統領就任が決まった昨年末だ。これ以降、景気拡大への期待感が高まり、世界的な株高に転じた。結局、5兆3098億円の巨額赤字だった前年度から1転し、市場での運用を始めた01年度以降で6番目の高水準の運用益となった。
GPIFによると、資産別では国内株式が4兆5546億円、外国株式が4兆3273億円のそれぞれ黒字。国内債券は3958億円、外国債券は5962億円のそれぞれ赤字だった。01年度以降の累積収益額は53兆3603億円、16年度末の運用資産は144兆9034億円でともに過去最高になった。
兵器関連 排除に課題 一方、GPIFは4月、広範囲に小型爆弾を待ち散らすクラスター爆弾をつくっていた米国起業の株式を持っていることが判明。日本も批准する国際条約で製造が禁じられる爆弾だ。会見で見解を問われたGPIFの高橋則広理事長は、「歯がゆいといわれると思うが、運用会社に任せざるを得ない」と表情をゆがめた。投資は、恣意的な判断が入らないよう運用を一任した専門機関が行っているためだ。
公平性の重視の一方で、こうした企業への投資を排除できないでいる。こうした中、今春から環境や企業統治の取り組みが優れた企業を重視する「ESG投資」を開始。この枠組みに沿えば今後、投資対象から外れていく可能性もあるが、対象は国内株式の運用額のわずか約3%だ。
ノルウェーの年金基金などは、第三者による倫理委員会が勧告する仕組みがあり、クラスター弾製造会社を投資先から外している。高崎経済大の水口剛教授(責任投資)は「倫理に反するような投資を選別する仕組みをどう作るのか、議論が必要だ」と指摘する。(井上充昌)


東芝株リスクも GPIFは7日の会見で、経営危機に陥っている東芝の株式を今年3月末時点で約3億株、時価総額で約715億円文保有していると明らかにした。発行済み株式の約7%を持つ大株主だが、東芝株は東京証券取引所が上場にふさわしいか審査中。上場廃止が決まれば株価が急落して多額の損失につながりかねない。
東芝は発表が遅れている17年3月期決算で債務超過となることが確定的で、東証のルールで8月1日付で東証1部から2部に降格する。2部になると、GPIFが投資する東証1部全体の値動きを示すTOPIXに連動するファンドなどから東芝株が外れるため、売りが進むことが予想される。
GPIFの高橋理事長は「TOPIX連動型だと(東芝が2部降格でファンドから外れれば)売却していくことになるだろう」とし、8月以降に保有株数が減っていく見通しを示した。ただ、一気に売却が進むと、市場が混乱する可能性もある。(大隈悠)

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