11月9日 課税強化・賃上げ・偽ニュース対策・・

日本経済新聞2018年11月4日1面:巨人GAFA 社会共存の風圧 コスト膨張、下がる利益率 米グーグルなど「GAFA」と呼ばれるIT(情報技術)大手4社が、「社会と共存するうえでのコスト」を求められ始めている。欧州を中心に課税強化の動きが広がる一方、賃上げ圧力が強まり、情報流出の対策コストも膨らんでいる。データを独占して高度成長を続ける一方で、税や賃金など「社会全体への還元」には十分な関心を払ってこなかったGAFAという「異形の企業群」。かつてのような高い収益性の維持は難しくなっており、売上高税引き前利益率は2019年度に20%割れ寸前まで低下する見通しだ。合計約6400億㌦(約72兆円)の株式価値が損失ー。GAFA(グーグル親会社のアルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)の時価総額は7~10月のピーク比で大幅に減少した。18年7~9月期決算は総じて好調だったものの、水面下で「稼ぐ効率」を示す利益率が低下していることが一因だ。トランプ減税の影響を受けない税引前利益のアナリスト予想の集計値をみると、売上高対比の利益率が19年度には全体で20.09%まで低下する。ピークの12年度比では約6㌽の落ち込みだ。
不祥事対応2万人 「ウォー・ルーム」。フェイスブックはシリコンバレーの本社に設置したコンテツ監視の緊急対策室をこんな異名で呼ぶ。偽ニュースの拡散や情報流出などの問題が相次ぎ、米中間選挙を控えてトラブル回避に全力をあげる。不祥事対応には約2万人(派遣社員含む)と1年前の2倍の人員を投入。正社員数は9月末で同45%多い約3万3600人に達する。設備投資に絡む負担も重く、米金融大手モルガン・スタンレーはフェイスブックの19、20年度の利益予想を1割程度下方修正した。
アマゾンは「低賃金」批判を踏まえ、米英の配送センターなどで働く約40万人の最低賃金を引き上げた。この結果、19年度に営業費用が27億5000万㌦増加するとモルガン・スタンレーは予想する。「アマゾンは米郵政公社(USPS)に不当な低料金での配達を強いている」。トランプ米大統領の度重なる批判を支えに、USPSはネット通販で最も利用が多い中小型の荷物の配送料を19年1月から5~10%引き上げる。これがアマゾンの小売部門の営業利益を5%押し下げると英バークレイズは試算。フェデックスなどの他の物流企業も追随すれば、さらに3%の減益圧力が生じるという。税金も焦点だ。英政府は10月29日、新たなデジタル課税を20年4月から導入すると発表した。大手IT企業を対象に英国での売上高に2%の税を課す。データやソフトウェアなど「形のない資産」で稼ぎ、低税率の租税回避(タックスヘイブン)を使った節税策が安易なIT企業に業を煮やした措置だ。欧州連合(EU)なども過度の節税への対応を厳格化しており、IT大手の税引き後利益を抑える要因になる可能性が高い。
 岐路の成長モデル 個人情報保護やコンテンツ監視を巡って規制強化の動きも世界的に強まっている。欧州では個人情報の厳格管理を求める「一般データ保護規則(GDPR)」が5月に施行され、その前後3カ月でフェイスブックの欧州では1日あたり利用者は約300万人減少した。その対応でロビー活動費も膨らんでいる。米調査サイトのオープンシークレッツによると、アルファベットの18年の米国でのロビー活動費(10月24日時点)は1676万㌦と民間企業で最大。アマゾンやフェイスブックも上位に並ぶ。
「邪悪にならなくても稼ぐことはできる」。グーグルが掲げてきたこんな社是は有名だ。設立から日が浅く、理想主義な傾向もあるGAFA。大量のデータから利益を生み出す新しいビジネスモデルを成功させ、国境や規制の枠組みを飛び越えてきた。いまや世界中に影響を与えるほどの存在となり、「大人の企業」としての振る舞いが求められている。過去数年間にわたって世界の企業業績を押し上げてきたGAFAの収益力は、社会とのかかわり方をどう築いていくかで大きく左右される。(成瀬美和、増田咲紀、シリコンバレー=中西豊紀)

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