11月9日 新聞を読んで 森健

東京新聞2017年11月5日5面:希望が失望となって 10月を一言で表現するなら「希望」から「失望」という言葉が適当だろうか。今回の総選挙。希望の党の発足と民進党候補者の希望への合流で、久しぶりに野党に光が当たる動きにはなった。だが、一連の動きにの中、東京新聞は希望に対し手放しで歓迎していた様子はなかった。
10月7日社会面の編集日誌は、安倍首相が改憲で希望に協力要請する考えを示したことを指摘。「与党と『希望』の公約は似ています。違い以上に近さのチェックも重要です」と記した。その時点で希望は小池百合子党首の「排除」発言で人気は急落。”排除”されて旗揚げした立憲民主党の株が上がりだしていた。
公示後11日の特報面ではそうした混乱を見据えた中、「国難突破」「排除」など六つのキーワードで有権者への意見を紹介。前田幸男東大大学院教授は「野党支持層の政治不信は強まっただろう」と分析、投票では自身の常識や良識を信じようと続けた。だが、まもなく東京新聞は選挙への失望が隠せなくなっていく。12日、各社の情勢調査が1面で報道された。東京も共同の世論調査を報じたが、その扱いは1面ながらきわめて小さかった(他社は堂々としたトップ)。
なぜ小さかったのか。18日紙面で自社を加えた世論調査を発表予定だったためもあるだろうが、共同の情勢調査では自公の与党が300議席超をうかがい、選挙結果に変化の期待を抱けなくなったともあるのではないか。見出しも「投票先未定5割超」という打ち出しだった。
そんな割り切れない思いを裏付けるように、17日の特報面では、「自分の立場に最も近い候補者の当選確率が低い場合、次善の候補者に投票する」戦略的投票の記事を掲載。自公に対抗する奇抜なアイデアも紹介していった。
投票日翌日の23日。東京は「自公3分の2維持」と1面トップで出しつつ、筆洗は「仕方なく、政権継続を選ばざるを得なかった有権者の複雑な表情を想像する」と嘆いた。同日夕刊によると投票率は戦後2番目に低い水準だった。台風21号の影響もあろうが、浮動票たる約半数が投票しなかったことがこの結果をもたらした可能性はある。
問題は改憲だ。24日1面は改憲勢力が8割を超えたとしつつ、真下の囲みで政治部長は「(野党は)どの政党も政権を争う態勢と資格に欠け、判断材料が圧倒的に乏しい選挙」と総括、「真の『政権選択』への準備を」と気の早い準備を促した。選挙後、希望が失望に変わったからか、紙面はどこか力が抜けたような感もあった。そう見ていたら、特別国会が始まった11月1日の特報面は「『みそぎ』済んでいない」と打ち出した。ここからまた長い論戦が始まっていく。(ジャーナリスト) *この批評は最終版を基にしています。

 

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