11月8日 オトナになった女子たちへ 伊藤理佐

朝日新聞2017年11月3日:ハロウィーンよ、来い ハロウィーンが終わった。ハロウィーンをなかなか使いこなせない年頃だ。「枕元にオバケがお菓子を置いていく」 では、ないようだな、と気づいてから数年。ググったりして、祭りの情報は確実に手に入れた。なのに、ちっとも身につかないのだった。板にもつかない。今年も当日、ヨシダサンはカボチャを煮ていた。「違うな~」
ハロウィーンはカボチャ食べるじゃないな~、と言いながらおいしく煮ていた。湯気と、うしろ姿に年を感じた。そういうおニューな情報は、最近はもう、子供からやってくる。子供窓口。この窓口からは「お笑い芸人情報」がくよくやってくる。なんかわからないことをムスメが言っていると 「これは『お笑い』だな」と、思う。学校でセッセと仕入れてくる。ブルゾンちえみになってくるムスメを見ながら、わたしは思う。「わたしまできたら売れっ子」
フッ。えらそうだが。わたしが耳にするくらいになったら、その芸人さんはもう売れっ子だ。ここまで来い。そころで。
ヨシダサンがハロウィーンに煮たカボチャだが、それは長野からきた。父が畑をやっていて、そこから送られてきた。ジャガイモと一緒に入っていたカボチャには、それぞれマスキングテープが貼られて、そこに字が書いてあった。「食べられる」「食べられない」
ハイ? と、なった。白いカボチャに「食べられる」シール。オレンジのカボチャに「食べられない」シール。ハ!ハロウィーンか!
これ、観賞用カボチャだ。二種類を、父が、春先だろうか、苗を買ってきて育てたのだ。ミドリの通常カボチャとは別に、二種類も。ハロウィーンが、うちのおじいさん、おばあさんまできた。長野の山奥の老夫婦に認知されるとは。しかもテマヒマかけて栽培。これは、立派な日本の行事になったといえるのではないか。「食べられる」「食べられない」の、母の字に、なんか勢いを感じた。ハロウィーンを認める、油性マジックの黒字だった。(漫画家)

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