11月24日 未来ノート 山県亮太

朝日新聞2017年11月19日16面:一生懸命は美徳 子に伝えられる指導者に 「座右の銘」を聞かれると、山県亮太(セイコー)は困った顔になった。一つに絞るのは難しい、と。そんななか、思い出したのが、小学校の先生が口をすっぱくして言っていた言葉、「一生懸命は美しい」だった。「いい言葉だと思う。自分に子どもができても、陸上じゃなくてもいい。勉強でも何でも、一生懸命やってほしい」
慶大競走部時代の同期で、現在はマネージャーを務める瀬田川歩さんは、山県の長所を「突き詰めてやれること」と話す。「競技力を向上させるために、何か引き出しがないかと本を読んだり、人の話を聞いたりできるのが一番の強み」妥協せず取り組んできたからこそ、ときには代償も払った。右足首や腰、足の肉離れなどさまざまなけがを経験してきた。
大変な思いは、生まれたときからしていた。生まれたのは25年前の6月10日で、実は予定日よりずっと早かった。その後、何ヵ月も病院のNICU(新生児集中治療室)に入り、父・浩一さんが通う日々だった。退院しても1年間は外出は止められた。普通に大きくなってくれたらいい、という両親の願いは、小学校に入るまで続いた。小さかった少年は今や五輪のリレー銀メダリストとなり、100メートルで日本歴代2位に並ぶ10秒00を出した。
そんな山県には、将来なりたい指導者像がある。幼いころは心配性だった。周りから「勝てるよ」と励まされても自信が持てない。そんな時、父に「普通にやったらお前は勝てる」と言われると、腑に落ちた。常に見守ってくれる人だからなのだろう。勝負の世界に「絶対」はない。でも、一生懸命な子どもたちに言葉をかけてあげたい。「やっている側は絶対に勝ちたいんです。教え子には、お前は絶対に勝てるって言ってあげたい。本当にそう思うって、さらっと言ってあげたい」
(遠田寛生) 次回は卓球の平野美宇選手です。
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