10月14日 負動産対策にネット競売

朝日新聞2018年10月10日9面:安い手数料ただでも売りたい リゾートマンションや別荘地、相続財産など、通常では買い手がつきにくくなった物件をインターネットで紹介し、オークション形式で買い手を募る試みが始まった。売るに売れず、管理コストが所有者の重荷となる「負動産」を減らす対策の切り札になるのか。オークションを始めたのは「不動産競売流通教会」(本部・東京都港区、青山一広代表)。借金を返せない人からとった担保不動産を、裁判所を介して売る「競売」を利用する不動産業者らでつくる団体だ。今回は、競売の「民間版」をめざす取り組みだ。
9日時点で、茨城県の宅地や兵庫県淡路島の別荘地など5物件に入札でき、11日夕に初めて開札される。紹介された物件の一つが箱根のリゾートマンションの1室だ。急な山道を登っていく途中にある4階建ての最上階にある。68平方㍍の1LDK で、部屋の風呂は広く、源泉の温泉を使った共同浴場もある。1991年築だが、管理の状態は良いという。企業が接待や社員の福利厚生のために保有してきたが、事業の縮小にともない手放すことになった物件だ。
最低入札価格は275万円で、期間中に最も高い値段をつけた人が落札する。一見、手頃な価格に見えるが、問題は月に計約5万7千円の管理費と修繕積立金などの経費だ。固定資産税も年間14万2千円かかる。箱根には外国人観光客も多く、民泊を受け入れれば客がつきそうだが、このマンションの管理組合は民泊を禁止している。この物件を持ち込んだのはNPO法人「住宅ローン問題支援ネット」代表の高橋愛子さん。ふだんは借金で資産の整理が必要な人や、不動産を抱えた人の手挫助をしている。高橋さんによると、この物件は地元のリゾート会社を通じて400万円余りで売りに出していたが、買い手が現れなかったという。
「管理費は毎月支払いが必要で、物件を使わなければただの負担になる。温泉好きで週末は箱根で過ごしたいという人や、永住する人が現れるかどうかです」と、高橋さんは期待する。オークションで売れると、売却額の3%か15万円の髙いほうを手数料として競売流通協会に払う。その手数料を充て、教会は、地元の会員会社に対して物件の調査や売れた後の手続きを委託するしくみだ。
千葉県白子町の九十九里浜から約2㌔の別荘地も、高橋代表が持ち込んだ物件だ。最低価格は18万円にした。きちんと区画された約100平方㍍で、周囲には同じような区画が20ほどあるが、ほとんど家は立っていない。バブル期の88年に会社員が買ったものの、更地のままになっている。最寄りのJR外房線永田駅からは10㌔以上離れている。年2回ほどの草刈りに1万6千円かかるほか、固定資産税も年6千円かかる。高橋さんは「所有者は安くてもいいから手放したがっている。ただオークション手数料でかかる15万円を加味して18万円としたので、買い手が現れるでしょうか」と心配する。
競売流通協会の青山代表におると、裁判所を介した競売は弁護士費用などを含めて1件100万円程度かかり、処分に8ヵ月以上かかるという。それに比べ、民間の不動産オークションなら費用が少なく、時間も3ヵ月程度で済むという。バブル期までに開発が進んだリゾートマンションや別荘地では、市場価値が落ち、ただ同然や、手数料を含めると実質「マイナス」価格で売買されている物件も出てきている。青山代表は「ただでも手放したい物件を抱える人は多いが、それでも不動産業者がもうからないで動かない。今後は手数料15万円を切る赤字の物件も出す。ネットなら売れる可能性がある」と期待する。 (松浦新)

 

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